面接や合説でも使える!? ブラック企業の見分け方
就職活動や転職活動を行なっていく中で、受ける会社がブラック企業かどうかを見分けるのは重要なことですよね。
この記事では、面接や説明会で「最後に何か質問はありますか?」と聞かれたときにも使える知識についてご紹介します。
【法律監修】
弁護士法人グラディアトル法律事務所 原田 大 弁護士
労働問題全般について日々多くの相談を受けており、特に不当解雇や未払い残業代に多くの解決実績をもつ。初回の無料相談にて、ご相談者様の状況・要望を踏まえた最適な解決プランを提案。
■ブラック企業の3大ポイント|残業・賃金・ハラスメント
厚生労働省が行なった『若者の「使い捨て」が疑われる企業等への重点監督の実施状況』の調査結果では、主に以下のような違法労働がありました。
- 1. 長時間労働
- 2. 給料・残業代などの未払い賃金
- 3. 過重労働による健康被害防止措置が不十分
参考:厚生労働省|若者の「使い捨て」が疑われる企業等への重点監督の実施状況
この項目では、ブラック企業の中でも違法になる可能性の高い3つのポイントについて詳しくご紹介します。
1:企業の平均残業時間と過労死ライン
企業の平均残業時間は45時間と言われています。一方で、過労死ラインと呼ばれる重篤な健康被害を及ぼす可能性がある残業時間は80時間です。説明会や企業研究でブラック企業を判断する際は、この数字を目安にすることをおすすめします。
2:未払い賃金と残業代請求
労働基準法では1日8時間以上働いた場合、残業代などの割増賃金が支払われます。
そのため、給与や残業代が未払いのブラック企業だった場合、労働基準監督署に相談して、残業代請求を検討しましょう。
3:健康被害防止措置とは|健康診断や保険加入など
健康被害防止措置とは、正社員の定期健康診断の実施や労災・雇用保険への加入です。
特に健康診断は、会社が社員の健康を守るために最低限必要なことなので、健康診断の実施があるかどうかはブラック企業を見極める上で重要なポイントになります。
労災保険は業務による怪我や病気を補償する保険で、すべての労働者が強制加入になります。また、雇用保険は、週30時間以上(一部の企業では週20時間以上)働く労働者が加入対象になるので、正社員であれば強制加入となります。
ハラスメントは、うつ病などの健康被害のリスクがあるため、企業は再発防止策を講じる必要があります。
■就活・転職で気をつけるべき労働条件
就職活動や転職活動の際に気になるのは、募集要項や求人票に関するトラブルだと思います。ブラック企業への就職を回避するためにも、労働条件は必ず確認しましょう。
募集要項と実際の給料が違う⁉︎
募集要項や求人票では『賞与あり』と書いてあったのに実際はなかった…ということもあるかもしれません。募集時の労働条件と実際の労働契約の内容があまりにも違う場合は、契約内容が無効になるケースもあります。
例えば、先ほどご紹介した賞与の有無などは、募集時の条件に『賞与あり』と記載されていた場合、証拠を残すことで会社に請求することもできます。
また、トラブルの当事者にならないためには、募集要項や求人票は必ず手元に残しておきましょう。
『固定残業制』ってなんですか?
「うちは固定残業制だから、残業代出ないよ。」というブラック企業も多く見られます。固定残業制とは、あらかじめ一定の残業時間があることをみなして、その分の残業代を月給で支払う制度です。
そのため、例えば『月給には、30時間分(5万円)のみなし残業代が含まれます』と記載されている場合、30時間の残業があることとみなして、先に5万円分の残業代を給料として支払うということです。
ブラック企業では「固定残業制だから残業代は出ない。」と勘違いしている人もいますが、固定残業制では設定した残業時間を超えた場合、追加で残業代が支払われます。
■面接や説明会で使えるブラック企業を見分けるための質問
ブラック企業には入りたくないというのは、労働者として当然のこと。
可能な限りブラック企業を避けるためには、面接や説明会での質問も重要です。とはいえ、あまりにストレートな質問をしてしまうと企業側に悪い印象を与える可能性もあるため、言葉選びには注意したいものです。
この項目では、面接や説明会で使えるブラック企業を見分けるための質問についてご紹介します。
長時間の残業があるか確認する質問
残業が多いのかどうか確認するには、以下のような質問をしてみましょう。
「先輩社員の方々は平均、何時頃に帰宅されますか?」
「業務の1日のタイムスケジュールはどのようなものでしょうか?」
あくまでも入社したときのイメージをふくらませるために質問するというスタンスで聞くのが大切です。
労働基準法上では労働時間は1日8時間です。そのため、聞いた内容が8時間で収まりそうにない業務量であった場合は、その分残業している可能性があります。