あなたは大丈夫?好きな人と両思いになると冷める「蛙化現象」の解決方法
大好きな彼と両思いになれた。それなのに、付き合ったとたんに相手のことが気持ち悪く思えて、すぐに別れてしまった……。そんな悲しい経験をされた女性は、決して少なくありません。好きな人と両思いになったとたんに気持ち悪くなってしまうのは、“蛙化現象”が原因かもしれません。筆者は大学時代に授業で学んだのですが、現在では論文で発表されるほど大勢に求められ、研究されているテーマです。多くの女性が悩んでいる“蛙化現象”の特徴と解決策について、この記事でご紹介していきます。
そもそも、“蛙化現象”とは?
蛙化現象の蛙は、グリム童話である「カエルの王様」が由来になっています。童話の内容を簡単に説明すると、ある王国の美しい王女が井戸に落とした鞠を蛙に拾ってもらい、代わりに「友達になる」という約束をします。約束を本気にしていなかった王女は、一緒に食事をしようとしたり、同じベッドで眠ろうとしたりする蛙にイライラが爆発。やけになって蛙を壁に投げつけると、なんと蛙は王子に変身。魔法使いにかけられた呪いが解け、もとの姿に戻った王子に姫が恋をして幸せに暮らしました、という話です。
なんとも後味が悪いというか、理解が難しい話ですが、蛙化現象はこのグリム童話を逆にしたものです。蛙が王子に変身したグリム童話に比べ、蛙化現象はそれまで王子のように見えていた男性が蛙のように気持ち悪くなってしまうというもの。なんとも切ない由来ですね。
なぜ好きな人が気持ち悪くなってしまうのか?
王子のように素敵だった好きな人が、蛙のように気持ち悪く思えてしまうこの現象。なぜこのようなことが起こってしまうのでしょうか? 実際に発表されている論文や筆者が体験した蛙化現象をもとに、原因を考えてみましょう。
自分に自信がない
原因のひとつ目は、自分への自信のなさ。自分の容姿や性格などにコンプレックスを感じており、自己肯定感の低い女性が陥りがちです。自分のことを好きになってくれる男性があらわれて両思いになったとしても、「こんな自分を好きになってくれるなんて、この男性も自分と同じで価値のない人なんだろうな……」とネガティブにとらえてしまい、相手のことが気持ち悪くなってしまうのだとか。
このタイプの女性は、本当は魅力的な男性と付き合いたいと思っているのです。しかし最初は自分を取り繕うことができても、付き合っていくうちに本当は魅力的ではない自分に気づかれてしまい、フラれてしまうかもしれない。そんな不安を無意識的に感じ、防衛本能が働いて相手のことが気持ち悪く感じるようになってしまうそうです。
性的な事柄への嫌悪感
ふたつ目の原因が、性的な事柄への嫌悪感。そこから相手が気持ち悪くなってしまうという人も多いそうです。思春期にこの感情を経験した女性は多いのではないでしょうか。恋愛に対して憧れはあるものの、自分が実際に性的な行為に及ぶことを受け入れられないため、相手のことも気持ち悪いと感じるようになってしまうのです。実は筆者も、このパターンの蛙化現象を経験したことがありました。
中学2年生の頃に初めて彼氏ができて、すっかり浮かれていた筆者。メールのやりとりや一緒に登下校するだけで満足するという、おままごとのような恋愛をしていました。しかし当時の彼氏はそれだけで満足できなかったようで、帰り道にキスされそうに。するとそれまでなんとも思わなかったのに、途端に相手のことが気持ち悪くなってしまったのです。もちろん、その後すぐに別れました。性的な行為を初めて経験する場合、未知のものに対する恐怖を覚えるのは自然なことです。それ故に、好きな相手でも気持ち悪くなってしまうのだろうと感じました。
恋愛のペースに対する抵抗感
みっつ目の原因は、恋愛が相手のペースで進むことへの抵抗感です。例えば、こんな場合。初めてのデートでレストランディナーを楽しんだあと、相手の男性がホテルに誘ってきたら、「いやいや、まだ早いし!」と嫌悪感を抱くのではないでしょうか(もちろん相手の男性にもよると思いますが……)。たとえ好きな人だったとしても、「チャラい人なのかな……」と不信な気持ちを持ってしまい、相手のことが気持ち悪くなってしまうのです。
このタイプの女性は、自分の中にしっかりした基準を持っていることが多いです。例えば、出会ってから1回目のデートでディナー、2回目で1日一緒にいて相性を確かめる、3回目で告白してもらうなど、付き合うまでのプロセスが自分の中で決まっているのです。そんなマイルールを男性に乱されることによって、相手に対してネガティブな感情が芽生えてしまうのではないでしょうか。
解決策は、自分に自信を持つこと
論文ではほかにもさまざまな原因が研究されていましたが、蛙化現象に悩む女性が陥りやすいのは上記の原因ではないかと思います。2つ目の原因である“性的な事柄への嫌悪感”は、思春期を抜けると解決することがほとんどです。また、3つ目の“恋愛のペースに対する抵抗感”も、考え方次第ですぐに解決できるでしょう。自分以外の価値観を受け入れることで、ペースを乱されることへの抵抗は薄まるはずです。
最も根深いのは、ひとつ目の“自分に自信がない”という自己肯定感の低さからくる拒絶反応。これを解決するためには、自分を好きになることがなにより大切です。というのも、この拒絶反応が生まれるのは「こんなに魅力的な男性が自分なんかを好きになるはずがない」という思い込みが原因だから。自己肯定感を高められなければ、どんなに魅力的な男性と両思いになることができても、相手を心から信じることはできないでしょう。
自己肯定感を高めるためには、自分のコンプレックスを解消することがなにより大切です。容姿にコンプレックスを抱いている方なら、雑誌を見てメイクやファッションを研究したり、友人から客観的なアドバイスをもらったりするのもいいでしょう。最近は美容整形も一般的になってきましたから、自分に自信を持つために勇気を出すのもいいかもしれません。女子力の低さがコンプレックスの方であれば、簡単な自炊を始めてみたり、家を丁寧に掃除したりするだけで自分に自信を持てるようになるだろうと思います。
まとめ
好きな人と両思いになれたのに、相手のことが気持ち悪くなってしまう蛙化現象。そんな悲しい思いをもう経験しないためには、まずは自分を好きになるところからスタートしましょう。自己肯定感が高まれば、「今の自分だったら魅力的な男性から好きになってもらえるかも」とポジティブな気持ちになるはずです。
こいとり~あなたは大丈夫?好きな人と両思いになると冷める「蛙化現象」の解決方法~
参考文献:
- 女子が恋愛過程で遭遇する蛙化現象|藤沢伸介 (跡見学園女大)