職場で、客先で…働く女性がキャリアの壁を感じる瞬間

私が新卒で会社に入ったのは十数年前。新入社員の顔ぶれも、入社後の仕事の任され方もほとんど女性の壁を感じることなく仕事をしてきました。また、客先においても同様で、女性ゆえに悔しい思いをしたことはほとんどありません。でも、30代を目前にした頃、いろいろと女性特有のキャリアの壁を感じることが増えてきたのです。

30代を目前にして感じた壁

20代も後半にさしかかり、結婚や今後のキャリアを考え、あらためてまわりを見回したときに愕然としました。20代の女性社員に比べ、30代女性の数が圧倒的に少なかったのです。聞けば、結婚や出産を機に職場を辞めた人、出産で休業している人。20代後半の私は、30代も同じようにキャリアを積んでいくものだと信じて疑わなかったので、そんな現実があることさえ私は知りませんでした。当時色々と無知だった私は、30代も同じように働けるのかと見えない壁の存在を前に、言いようのない不安に襲われました。

母になったことで感じた壁

その後、私も結婚・出産を経て、子育てをしながら時短勤務で働くことになります。そこでも大きな壁を感じました。私が主担当の企画会議が佳境に入り、よーし！ここからと思ったタイミングで、子どものお迎えの時間が迫っていたとき。お客様からすぐ来てほしいと言われても、幼稚園の送迎との都合が合わず対応できないもどかしさ。時間制約がある中で、同僚に私の仕事をお願いしなければならない後ろめたさ。本当にこのやり方で正しいのだろうか……そんな不安とともに、今まで通りに働きたいのに働けない、そんなもどかしい壁を感じました。

でも一番の壁はやっぱりこれ

妊娠・出産で仕事にブランクが生じること、子育てしながら働くこと、男性に比べて少ない体力など、女性が働いていく上で感じる壁はたくさんあります。確かに、これらは捉え方によっては壁かもしれません。でも私は、仕事がうまくいかなかったとき、自分のキャリアが思い通りに描けなかったとき、それらの言い訳をこれら女性の壁のせいにしてしまうことが、女性に立ちはだかる最大の壁のように思えてなりません。