たまには真面目に考えてみた…残業って本当に「悪」なの?
残業による過労死や自殺がニュースになり、働き方が問われている今。残業することが単純に「悪い」という風潮が強まっている気がします。たしかに、過労死レベルの終わりなき残業は悪ですが、何が何でも8時間キッカリで仕事を終わらせることが本当に正義なのでしょうか。残業がなくなれば、もろ手を挙げて喜べることばかりなのかどうか?女子ツク!編集部が残業について真面目に考えてみました。もしこの世から100%残業がなくなったら…
(1)ローキャリアのスキルアップの時間がなくなる
大企業と違って中小企業やベンチャーになると、新人研修やOJTがないところは珍しくありません。実務を通してスキルを習得したり、スキルアップをはかるローキャリアの方も多いはず。残業がなくなってしまうと、そのぶん上司や先輩からノウハウを教わったり、学ぶ時間も少なくなるのではないでしょうか。もちろん「わざわざ残業してまでやるな!」「勤務時間内に終わらせべき」という声もあると思います。しかし、そう言う方も自分がまだ新人だったころを思い出してみてください…。日が落ちて窓の外はもう真っ暗な中、上司や先輩にわからないことを聞いたり、1日の振り返りを一緒にしてもらったり、業務のイロハを教えてもらったことがあったはず。
(2)仕事が好きな気持ち、やりたい気持ちを摘む
キッカリ8時間勤務で帰りたいという意見を尊重するのであれば、逆に仕事が好きでやりたいから残業したいという声を尊重することも大切ではないでしょうか。もちろん、身体に支障をきたすほどの残業は考えものです。しかし、「無我夢中」という言葉があるように、好きな気持ちが原動力になり、時間を忘れるほど没頭するときが仕事でもあるはず。その結果、成果につながったということも。キャリアをつんできた方なら経験があるのではないでしょうか。
(3)業界・職種間の格差
某有名レコード会社の社長もモノ申していましたが、職種によっては機械的に8時間で切り上げるのが難しいものもあります。特に音楽やテレビ番組の制作、作家、画家などクリエイティブな職は、仕事の進め方も終わり方も個人の裁量にゆだねる部分が大きい仕事。安易に残業の規制や勤務時間を短縮してしまうのは、逆に職人魂を削ってしまうかもしれません。また、仮にそういった残業規制が成立しない業界向けに政府が特例をつくったとしても、業務をまわすために多くの会社が特例適用を申請してしまえば、残業規制自体がイレギュラーになる場合も往々にして考えられます。
【まとめ】
ここまで残業が短く、またはなくなることで懸念されることを書いてきましたが、いかがだったでしょうか。残業については業界や職種を問わずにさまざまな意見があり、一概に正解を見いだすのは難しい問題です。そして、女子ツク!読者のみなさんを含め、労働者ひとりひとりが残業についてテーマや考えをお持ちのはず。女子ツク!では、本テーマについてご意見をお待ちしております!