日本酒ビギナーのための!お酒なぜなに事典その1【米について】
「最近日本酒を飲み始めました!」「日本酒を飲んでみたいけどよくわかりません」「好きだけど詳しくなくて…」という日本酒女子が増えています。わたしは「詳しくなくていいよ!プロに聞きながら美味しい日本酒をたくさん飲もう!」と思っています。でも…ほんの少し日本酒について知ることによって、より美味しく飲むことができるのかもしれません。そこで日本酒をちょっと知った気になるシリーズをお届けします。第1弾は原料である「米」についてです。
そもそも日本酒ってなにから作られるの?
日本酒の原料は、米、米麹、水です。米麹というのは簡単に言えば、お米にカビを生やしたもの。カビと言うと何となく嫌な感じがしますけど、これがないと発酵させることができず、つまりアルコール飲料にもなりません。味噌、漬物、醤油づくりにも重要なのが麹。昔から日本人の身近にあった、欠かすことのできないものなのです。
なぜ食用米じゃないの?
私たちが食卓で食べているのが食用米。一般的によく聞く「あきたこまち」とか「コシヒカリ」などのお米のことです。これに対して日本酒造りに使用するのは、酒米(さかまい)と呼ばれる専用のお米です。
この2つの違いは米の中にある「心白(しんぱく)」の大きさです。酒米の方がより心白が大きいのが特徴。顕微鏡で見ないとわからないレベルですが、お米の内部に空洞があり、そこに光が当たって乱反射を起こし白く見えるため「心白」と呼びます。空洞がある分だけ、先ほど説明した麹菌が米の内部にきちんと根をはりやすくより強い菌が育ちます。極端に言えば、外側についた菌は温度変化や払えば取れてしまうか変化してしまいますが、内側に育った菌はそんな影響を受けにくいというわけです。だから日本酒造りには多くの場合、研究や改良を重ねた酒米を使用するのです。
こんなにも種類がある、酒米
たとえば食用米である「あきたこまち」が「コシヒカリ」を交配させてできた種であるように、酒米もより良く、あるいはその土地で育てやすいものを目指して品種改良の研究が続けられています。そうしてできた酒米の数、なんと105 品種(平成27年現在)。
「山田錦」「五百万石」「美山錦」「雄町」「八反錦」「吟風」「若水」「愛山」「亀の尾」など日本酒のラベルに書かれていたら、それはそのお酒に使われているお米の品種名。出来上がる日本酒の味にもちろん大きな影響を与えますが、味を左右する大きな要因はその他にも酵母やお米自体の管理環境などがあり「このお米はこんな味」と一概に言えないのが現実です。
まとめ
ワインのドメーヌに倣って自家栽培をするところも増えてきましたが、ほとんどの日本酒の造り酒屋(蔵)は農家さんからお米を購入し精米して使用しています。その米は、種類や産地によってランクがあり値段が大きく異なって来るので、必然的に日本酒の価格そのものに影響してくるのです。居酒屋さんや酒屋さんで日本酒の瓶を見る機会があったら、ぜひ「酒米」に注目してみてくださいね。