女だからこそ抱えてしまう…言葉にならない想いに効く女性ボーカル失恋ソング3つ
大切な人を失ったときほど“後悔先に立たず”という言葉が身に染みることはないでしょう。しかも、後悔だけではなく、相手とお別れしてから時間が経つにつれて言葉にできない想いがあふれてくることも。ひとりで泣いても、誰かに話しても物足りなくて気分が晴れない…心が悲しみにとらわれてしまったときほど、音楽のチカラに頼ってみてはいかがでしょうか。今回は失恋した女子たちへ、筆者が個人的にオススメする女性ボーカルソングをご紹介します。
yonige「アボカド」
女性からの支持率急上昇中のインディーズガールズロックバンド。もともとは3ピースでしたが、現在は牛丸ありさ(Vo.)とごっきん(Ba.)の二人で活動中。牛丸ありさのストレートな感情がうかがえる日本語の歌詞と沈んだ心を包むメロディアスなギターロックは、失恋女子はもちろん慢性恋愛疲労女子の心にもきっと刺さるはず。
中でも「アボカド」は、むき出しの失恋の痛みを歌った曲。彼と別れて独りになった後の行き場のない心情が丸ごと描かれています。誰かに媚びたり、ヒロインぶったりしていない等身大の曲で共感できること間違いなし。
“君と別れて私さ 空っぽ抜け殻みたいになったし 毎日時間が過ぎて行くだけ ただただダラダラダラダラだ”
また歌詞には “君に投げつけたアボカド”と斜め上を行くフレーズでアボカドが登場。一体全体どんな喧嘩だったのか…?実はボーカル牛丸ありさの実体験らしく、なかなかにぶっとんだ一曲です。
ポルカドットスティングレイ「本日未明」
ブレイク間違いなしのバンドと期待されているポルカドットスティングレイ。ボーカルの雫(しずく)は、バンドメンバーの中でもカリスマ的人気を誇る紅一点の存在。CDジャケットデザインからMV監督まで手がけており、異常に高いセルフプロデュース力の持ち主でもあります。今後の変遷が見逃せません。
「本日未明」は、2017年4月30日にリリースされたファースト・ミニアルバム『大正義』の収録曲。一度聴いたら耳に残るギターフレーズとサビに向かっていく疾走感でキラーチューンともいえるナンバーです。歌詞は、少し哲学的な物言いながらも “最初からあなたなんて知らなきゃよかった”と、サビでは心のうちを直球にぶつけてくるので、素直になれない女子の心にきっと寄り添ってくれるはず。
中でも最初のサビの “右手にはナイフを左手には似たようなナイフを持っている”という締めくくりは、心に残るフレーズ。別れてしまったあとは、相手と自分のどちらが悪かったのか?とか、自分の方が傷ついているんだ!とか、壊れてしまった関係に無理に自分を納得させる答えを求めてしまいがち。でも、逆にその答えが自分の心の傷をえぐることも。しばらくは、出口のない感情に流されてみてもいいのではないでしょうか…本日未明まで。
天野月「静寂」
旧名・天野月子として活動していた天野月。根強いファンを持つホラーゲーム『零』シリーズの主題歌も担当しており、知っている人は知っている個性派シンガーソングライターです。アグレッシブに攻めたロックから切ないバラードまでさまざまな楽曲を発表しており、隠された伝奇や物語を感じさせる不思議な世界観の歌詞は中毒性アリ。2017年8月をもってライブ・リリース活動を無期限休止するとのことで寂しい限りです。
「静寂(しじま)」はビアノの伴奏のみで歌い上げた、タイトル通り静かでしっとりとしたバラード曲。彼女の力強くもやさしく語るような歌声と、記憶をひとつひとつぼんやり思い出すように紡がれる歌詞は、素直に泣けないアナタの涙腺をきっと解放してくれるはず。
“静寂の中で あたしは声を集める ふたりの暗号みたいな沈黙がふる”
歌詞をきいていくと必ずしも失恋や別れを表現しているわけではなく、自分の感情のあり方によってとらえ方も変わってくるでしょう。いま一緒にいる人にふと感じる寂しさや、相手が唯一無二の存在だからこそ考えてしまう、失ったときの恐れを歌い上げているようにも思えます。素直に自分の寂しさや悲しさを表せない女子にはもちろん、痛みが消えてきたときの何とも言えない気持ち(心のカサブタ)をいたわりたい女子にもオススメです。
【まとめ】
いかがでしたでしょうか…?興味がわいたバンドや楽曲があれば、ぜひ聞いてみてください。特にyonigeは他にも失恋に効く楽曲があり、「さよならアイデンティティー」や「センチメンタルシスター」もオススメ。心に空いてしまった穴を埋められるかどうかは、結局自分次第。感情に任せて自暴自棄になったり、誰かに寂しさを埋めてもらいたくなる気持ちも湧いてきますが、そういうときこそ今まで聞こえてこなかった自分自身の声を聴くタイミング。自分の感情の波長とあう楽曲で、だんだんと前を向いていきましょう。