働くあなたが主人公!現場の声から職場を活性化『第4回GOOD ACTION』レポート(前編)

働くあなたが主人公!現場の声から職場を活性化『第4回GOOD ACTION』レポート(前編)

グッドアクション2017表彰式

2018年2月13日に行なわれたリクルートキャリア主催の『第4回GOOD ACTION』。今年で4年目となるこの企画は、人材育成やコミュニケーション活性化施策など企業独自の取り組みに光を当て、表彰するもの。今回は表彰式に加えて表彰企業参加型のワークショップを行なう初の第二部構成となりました。どんな取り組みが表彰されたのか?ワークショップでは一体どんなことが行なわれるのか?昨年の取材に続いてお呼ばれした女子ツク!編集部は、今回もワクワクしながら取材に行ってきました!

会場の時事通信ホール

会場は銀座にある時事通信ホール。表彰企業ごとに丸テーブルを囲み、表彰のときを待ちます。会場は少し緊張感がありつつも、始まる前から笑顔がこぼれる参加者も多数。『GOOD ACTION』という名のとおり、取り組みから生まれた前向きに楽しむという空気が会場でも感じられました。それでは、今回表彰された8つの取り組みを順にご紹介していきます。

小さなエビ工場の“人を縛らない”働き方/株式会社パプアニューギニア海産

パプアニューギニア海産工場長の武藤氏と審査員の若新氏
左:審査員の若新氏 右:パプアニューギニア海産工場長の武藤氏

同社は大阪にあるパプアニューギニア産船凍天然えびの加工販売会社。今までパートスタッフの働き方をきっちり管理していましたが、その影響からかスタッフの中で派閥争いが起こったり、融通の利かないシフトへ不満を持つなど人がなかなか定着せず、ささいなことで争いが起こっていました。「どんなに良い商品を作り、信念を持っていても、人が離れていってしまう会社に価値があるのだろうか」そう思った工場長の武藤さんは、自分たちの労働環境づくりを見直し、スタッフの徹底的な管理をやめて『フリースケジュール』という新しい制度をスタートさせます。

『フリースケジュール』では、スタッフは好きな日、好きな時間に出退勤でき、欠勤も自由。しかも、会社への事前連絡は必要なし。そして「嫌いな作業をやってはいけない」という普通の会社だったら目が飛び出るようなルールを設け、2ヶ月に一度、作業についての好き嫌いアンケートを実施。スタッフそれぞれが仕事内容から働き方まで自分で選択できるようにしました。

すべてのスタッフが周りの目を気せずに自由に働けるようになった結果、スタッフ同士が自然と協力しあうようになり、生産性が向上。年間の人件費が3割減少するほど退職者も減りました。現在では、自社サイトに求人を掲載するだけで応募が殺到。

表彰で武藤さんは「人は争うものであるし、信用できない」と人間の本質について切り込んでいました。「だからこそ、どうやったらひとつにまとまっていけるのか?」と目を背けずに向き合うことで、今回の取り組みが生まれたのだと力強く発信。小さなエビ工場で起こった“働き方改革”は、これからも挑戦を続けていくと真っ直ぐな視線で語っていました。

グローバルな全社員で多様性を楽しむ日/株式会社ヌーラボ

ヌーラボ代表の橋本氏と審査員の若新氏
左:審査員の若新氏 右:ヌーラボ代表の橋本氏

国内に2拠点、海外に4拠点を持つグローバルカンパニーで、『Backlog』や『Typetalk』などビジネス向けコミュニケーションツールを開発、提供しているヌーラボ。年に一度、同社で働く多国籍メンバーとその家族など総勢200名が本社所在地の福岡に集結。ヌーラボで働く自分たちのことを“ヌーラバー”と呼び、世界中から“ヌーラバー”が集まるイベント「General Meeting」を開催しています。

代表の橋本さんによると、このイベントはいわゆる社員総会のようなものとのこと。しかし、ルールは「集合時間と場所を守ること」のみで、多様性をとことん許容。経営戦略共有など総会らしい内容もありますが、バーベキューやマリンスポーツ、バンド演奏など社員それぞれがやりたいことを思いっきり楽しむ場でもあるそうです。さらにこのイベントでは、社員が「インパクトのある超ポジティブな思い出」を共有。印象的なエピソードから自然と社員の顔が結び付き、話しかけやすくなったりとコミュニケーションのきっかけにもなっています。

「General Meeting」が生まれた背景には、同社のグローバル化が影響していました。IT化が進み、世界中どこでも仕事ができる今、考え方や文化などお互いのことを語り合う機会はつくらなければ生まれにくいものです。ヌーラボでは、多国籍化した社員同士がカルチャーやマインドの違いを理解しあう必要があると感じ、取り組みをスタート。当初、イベントをやろうと決意したのは社長でしたが、今では社員も「続けたい」と想いに賛同。準備を含めて1週間、顧客対応以外の業務をストップする日も1日設定し、約700万円の総予算をかけて「General Meeting」をつくりあげています。

サイレントヒーローをあぶり出すピアボーナス制度/Fringe81株式会社

Fringe81社長の田中氏と審査員の守島氏
左:審査員の守島氏 右:Fringe81社長の田中氏

「ピアボーナス」という言葉をご存知でしょうか?「ピアボーナス」とは、従業員同士が少額の成果給を送り合うこと。上司など誰もが目に見えてわかる成果だけではなく、見逃されがちな日々の小さな成果も対象となる、新しい成果給のカタチです。Fringe81では年間500万円の予算をとり、「ピアボーナス」を運用しています。

社長の田中さんは大切な社員の貢献が、限られた人にしかわからなかったり、すぐに忘れ去られてしまうことへ疑問を持ち、ピアボーナス制度を社内に取り入れることを決意。「サイレントヒーロー(人知れず会社に貢献した人)をあぶり出したい」という想いのもと、独自のソフトウェアシステム『Unipos』を社内で開発。雇用形態に関係なく社内で働く仲間同士、感謝の言葉と週1200円の成果給を送り合えるようにしました。

『Unipos』では誰がどんなふうに活躍したのか、誰から誰への感謝なのか…まるでSNSを見るような感覚でコメントが投稿され、貢献の内容を知ることができます。さらに投稿へ「拍手を送る」ことで称賛が社内で拡散。お互いの仕事ぶりや貢献度合いがわかるようになったことに加え、経営層やマネジャー層からは見えない、数字で成果を表しにくい職種のメンバーの活躍にも光が当たるようになりました。

その結果、エンジニアの退職について3年9か月の間ゼロという定着率を実現。毎日約30件の投稿が飛び交い、アルバイトなど雇用形態や部署間を越えた横や斜めの関りが生まれているそうです。

社員間コミュニケーションを活性化する社内通貨「ウズポ!」/株式会社UZUZ

株式会社UZUZマネージャー前田氏と審査員の守島氏
左:審査員の守島氏 右:株式会社UZUZ 専務取締役 川畑氏

ブロックチェーンというプラットフォームの中で取引される仮想通貨のブームが騒がれている中、社内にて通貨を発行し、コミュニケーション活性化に取り組んだのが株式会社UZUZ(ウズウズ)。同社は既卒・第二新卒専門、若手人材に特化した人材紹介事業などを行なっている就活サポートカンパニーです。

UZUZが発行した社内通貨は、その名も「ウズポ!」。特定の社員へ感謝・尊敬の気持ちを表すときや新規ユーザーを紹介獲得したり、月ごとに目覚ましい活躍をした人を表彰する『月間MBP(Most“ぶっとんでる”Person)』に選ばれた社員へ付与されます。1ポイント1000円で、獲得した通貨は“会社のためになること”なら用途に制限なく使え、事前決済も不要。まさに仮想通貨ならぬスムーズなやり取りで、お金を気にせず気軽に食事に誘えるようになったなど、実際の社内コミュニケーション活性化に貢献しています。

他にも“広告を出してサービスをPRしたい”“社員旅行をもっと豪華にしたい”など、事業やプロジェクトのために「ウズポ!」を活用。中には新規事業案実現のために社内ファンディングを立ち上げ、調達した「ウズポ!」で新サービスを生み出したメンバーも。社内通貨をきっかけに、社員ひとりひとりが自らの裁量で会社や仲間の想いの実現のために働くという好循環が生まれているそうです。

→後編へ続く
→第二部のワークショップレポートはこちら

女子ツク!流キャリアに関連する記事

この記事を読んだ人はこの記事も読んでます