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働く女性の立場で考えた!なぜ日本は女性管理職が少ないのか

Concept of women power out weighing men

みなさんは、2030という政府の施策をご存知ですか?これは、「2020年までに企業における指導的地位に占める女性の割合を30%にする」という政府目標数字です。つまり、みなさんの会社の管理職100人のうち30人が女性という状態を目指すものです。
ただし、2016年度のデータ(※)では100人に対してまだたったの6人・・・あと24人の管理職を増やす計算ですね。ちょっと無謀とも感じられるこの計画、そもそもなぜ日本は女性管理職が少ないのかを私なりに考察してみました。
参照元:帝国データバンク「女性登用に対する企業の意識調査(2015/08)」

女性のライフイベントと昇進時期が重なる

昇進のファーストステップである、係長への平均昇進年齢は32.7歳というデータ(※1)があります。また、女性の第一子出産の平均年齢は30.6歳(※2)で、このうち約半数が妊娠出産前後で退職をしています(※3)。これらのデータから何が見えてくると思いますか。
これは、会社が30代という年齢から、いよいよ社員を管理職候補として考え始める時期と、女性社員が出産で会社を離れたり、産休・育休などの長期休業に入る時期が重なることを意味しています。
これらのタイミングにより、管理職の昇進候補に女性の名前を挙げづらいこと、また時短勤務などで仕事をセーブすることによりその後数年間に渡って、女性の昇進が遅れることが一因として考えられます。
1 参照元:労務行政研究所 2009年「昇進・昇格、降格に関する実態調査」
2 参照元:厚生労働省「26 年 人口動態統計月報年計(概数)の概況 P4」
3 参照元:国立社会保障・人口問題研究所「第15回(2015年)出生動向基本調査(結婚と出産に関する全国調査)P29」

想像つかない世界は目指せない

女性の意識の問題もあります。男性は、入社から何年経過するとどの位の役職で、どの程度の仕事を任されているという昇進ストーリーを、たくさんの男性管理職のロールモデルを見ながら自然に描くことができます。一方、女性においては女性管理職の存在はまだまだ珍しい存在のため、ロールモデル数が少なく、自分が管理職になる姿を積極的に想像し、目指す女性はまだまだ少数派なのも要因と考えます。
ちなみに、既婚/未婚、出産の有/無などのライフイベントによって、働き方が男性よりも多様な女性は、自分と同じような境遇の女性管理職でないと、同性であってもロールモデルには思えないとの声もよく聞き、このあたりも女性が自分の将来のキャリアを描きにくい理由のひとつになっています。

【まとめ】

政府施策を受けて、企業の中でも早速女性の管理職を増やす動きが出てきています。ただ、管理職候補にあがっている女性たちからは、「2030に向けての単なる数合わせなのでは?」「男性社員より昇進を優遇されて、後ろ指をさされるのでは?」と、管理職になることへの疑問を感じる声も聞かれます。彼女たちが後輩にとってのロールモデルであると、胸を張って言えるように昇進の根拠やそれを支える仕組みづくりも必要になってくると思います。