人生は山あり谷あり。カイシャ生活だって同じように波がある…そうはわかっていても納得いかない、不満を感じるときが誰にだってあるはず。会社というコミュニティでは、自分が想像していた以上に世知辛い思いをしたりもします。とはいえ、そうそう簡単に変えられない会社の習慣、付き合いづらい上司と同僚、自分のやっている仕事への不安…行き場のない感情が落雷のように心をつらぬく瞬間、浮かび上がる「会社、辞めたい」というフレーズ。思わず心をブラックアウトさせる“会社を辞めたくなる瞬間”について探ってみました。
評価されない
まず会社を辞めたくなる瞬間は、自分の仕事が評価されないとき。自分のやってきたことが認められない、頑張りを誰もわかってくれない…そんなときの虚無感と徒労感は、想像以上に重かったりします。その一方で、ただ評価されただけじゃ意味がないのも事実。人は評価に自分が納得できるかどうかを求めがちなもの。自分が考えていた以上に評価が低かった、自分より能力が劣っている(と思っている)人が表彰された…など納得できない評価がくだされたときも、評価されなかったときと同じように心の闇が深くなってしまうようです。評価の数字でも、賞与の金額でも、評価において一番必要なのは「納得感」なのかもしれません。
居場所がない
1日のうち長い時間を過ごすオフィス。そこで居場所がないというのは一匹狼な人でもない限り、多くのワーカーにとっては苦痛に…。特に女性社員にとってはグループや派閥といった女性社会ならではのカースト制度が存在しているところも少なくありません。それを踏まえると、仲の良かった同僚が違う部署や拠点へ異動になるというのは結構なこと。また自分だけ飲み会に誘われず、開かれていたことをあとからSNSで知ってしまう、プロジェクトのチーム内に技術職が自分ひとりだけで他のメンバーに仕事の話が通じない…など、冷静に考えればちょっとしたことでも、心の中に大きな孤独感を生んでしまうケースもあります。それが定期的に続いたときのネガティブ思考の連鎖は、かなりのスピードで心をむしばんでいくようです。「自分は必要とされていない」というところまで気持ちが行きついてしまえば、誰だって会社を辞めたくなってしまうのではないでしょうか。
将来がみえない
いまや大企業であっても、リストラや事業縮小、海外買収…安定した経営が続かない時代。自分の会社の事業が10年後も続いているという保証はありません。近いうちに事業縮小やリストラ、倒産が起きるのではないか?グローバル化が進み、世界規模の競争に巻き込まれたときに勝ち残っていけるのか?キャリアを積んでいけばいくほど、自分の会社の先行きを慎重に考えたくなるもの。目に見えて売り上げが減っている、海外の安いサービスや商品にとって代わられつつある…そんな状況は、まさに会社の未来が見えないとき。会社の未来が見えないということは、働いている自分もこの先どうなるのか?やはり心配になります。また、テクノロジーの発達で、AI(人工知能)やロボットが人間の代わりに働くという世界もそう遠くないといわれています。ネット上でも“あと10年で消える職業、なくなる仕事”として話題にもなりました。データ入力や受付など誰でもできるようなルーチンワークは、確かにロボットにとって代わられやすいでしょう。だからこそ、そういった仕事を続けていくことに不安を覚える人も少なくありません。「そう遠くない未来、いま自分のやっていることが人間の仕事ではなくなる」という衝撃はかなり大きいものです。40代、50代になったとき、突然仕事がなくなったら…そう考えると、まだ転職市場で価値があるいまのうちに「会社を辞めたい=転職しよう」という思いがよぎるのも自然なことでしょう。
まとめ
隣の芝生は青く見えるものです。いまの会社に不満を持ったまま「逃げたい」「楽になりたい」という気持ちから会社を辞めることは、今後も同じことを繰り返しかねません。不満や不安、怒りといった負の感情は、ものごとの冷静な判断を鈍らせてしまいがち。また、ひとつの会社に長くいればいるほど居心地の良さに慣れてきます。勢いで転職してしまうと、自分が思った以上に新しい環境に適応するのが大変だった、前の会社の方が良かった…と後悔することも。会社を辞めたいと強く思っても、自分がどうなっていきたいのか?本当に会社を辞めるしかないのか?しっかりと見極めた上で、答えを出したいですね。