麗しき女子ツク!読者のみなさまは、今お勤めの会社についてどう思われていますか?理想の会社の基準は人それぞれ。そして、入社前にまず内容を確認することができないであろう、研修というブラックボックスの存在。「御社を志望した理由は、新人研修に魅力を感じたからです!!キラッ☆」なんて方はきっと稀なはず。という訳で今回は、例え超優良企業であっても研修内容がちょっと…という実例をご紹介します。怖いなぁ怖いなぁ。
新人研修はツラくて当然と言いますが… ~ブラック研修1日目~
これは、とある超優良企業での話。その企業では毎年新卒入社メンバーを対象に、富士山のふもとで“新人研修”を行なっています。行きのバスでは初めての研修という緊張もあってか、新卒メンバー全員の表情がカッチカチ。もはや歩く姿も左手と左足が同時に出るくらいのカチカチっぷり。そして、20代前半の石像たちを乗せたバスが合宿所に到着。いきなり番号付きのジャージとキャップが全員に配られます。そう、合宿中は全員が名前ではなく番号で呼ばれるんですね。訳も分からないうちにチーム分けされ、昼ご飯も食べたのか食べてないのか分からないうちに、さっそく地獄の研修がスタート。初日はチームごとに“挨拶の発表”が行なわれます。それはもう富士山の反対側まで聞こえるぐらいの声量で“おはようございます”から“よろしくお願いします”まで、基礎的な挨拶のフレーズを叫ばされるという課題。鬼ヶ島出身の教官のもと、何度も何度も復唱させられたのち、チームごとに“挨拶の発表”が。教官のOKが出るまでチームメンバーは夕飯を食べられません。挨拶を叫び続けて、最後のチームがOKをもらった時にはとっくに21時を過ぎていたとかいないとか。
あれ?地獄って実在するんだっけ? ~ブラック研修2日目~
そして、研修は2日目に突入。起床時間はまさかの午前3時。今日は、昨日に大声を張り上げ続けたチームで富士山に登頂します。寝不足の状態での登山は確か体にとても良くな…おっと誰か来たようなのでこの辺にしておきますね。というわけで、まだ暗くて寒い早朝から登山開始。「#&%$&#&%&%じゃない?」「なになに?疑問文かな?かろうじて疑問文なのかな?」と、新卒メンバーの声は昨日の大声でみんなガラガラ。体調も万全でない中、笑顔もなくひたすら登山、登山。そして念願の山頂に到着します。ところが休憩時間もそこそこに、下山タイムスタート。余韻はないのか、ご来光に対する余韻に浸る時間はないのか。下山を終えて宿に戻ると、いきなり次の研修課題が。まさかの“社歌の暗記と発表”。アタイ達の声ガラガラですやん。鬼教官それ知ってるはずですやん。朝昼晩の食事があること以外、全てが苦行のこの合宿。そしてチームで必死に社歌を暗記し、ガラガラ声で合唱し、いよいよ発表。そう、今回も鬼教官のOKが出るまで夕飯なし、就寝NGなのです。昨日の半分以下の声しか出ない中、新卒メンバーは必死で社歌を合唱。泣き出してしまう女の子も出てきてしまう中、全チームが教官からOKをもらったのは日付が変わるか変わらないかの深夜だったそうです。
あはは…何だか楽しいなぁ… ~ブラック研修3日目~
いよいよやってきました!本日が地獄の研修の最終日!「いぇぁぁぁぁぁ!!」と喜ぶ気力もなく、命からがら寝床から起き始める新卒メンバーこと、若手ソルジャーのみなさま。不思議なことに、ソルジャー同士の会話に笑顔が見られるようになってきました。人間、限界を超えると新しい世界が見えるのでしょうか。そして、最終日の課題は“合宿所の掃除”と“社訓の暗記と発表”。ビックリするくらいの集中力で若きソルジャーたちは掃除を終わらせ、黙々と社訓の暗記を始めます。ここまで来ると新卒メンバーが本当に一流のソルジャーに見えてきます。昨日までの苦労がウソのように、各チームが完璧な暗記、発表を披露。ここにきてまさかの発表の完成度に、鬼教官にもまさかの笑顔が。鬼ヶ島出身の教官がまさかの笑顔を見せたところで、合宿所の所長が若きソルジャーの目の前に現れます。「みんな本当によく頑張った…!この三日間を耐えた経験が今後(時間の都合により以下割愛)」と、所長の言葉に大粒の涙を流す戦士たち。本当にお疲れさまでした。帰りのバスは、行きのバスの緊張がウソのように笑顔であふれます。こっちでは「あはは…♡」、あっちでは「うふふ…♡」といったように。少し顔つきが精悍になったような、なっていないような若手ソルジャーたちは壮絶な合宿を終え、帰路につくのでした。
【まとめ】
研修はあくまで、実務で活かすためのスキルをトレーニングする場。研修自体がトラウマになるなんて本末転倒だとは思いますが、誰でも一つや二つくらい大変な研修を体験したことがあるのではないでしょうか。たくこもかつて、大声を張り上げる系の研修に参加したことがありました。今ではウーロンハイの肴になる程度のお話ですが、それでも当時は精神的にキツかった記憶があります。確かにあの研修があったから、と業務中にふと勇気が出るようなこともありましたが、果たしてそんなに精神的に圧迫するような雰囲気を研修中に作る必要ってあるのかな、と。難しいことですが、あくまで研修はそれぞれの人格を壊すきっかけではなく、新しい人格を構成するきっかけであって欲しいですよね。