ライターは、文章を書いてお金をもらう仕事。「文章を書くといっても小説家でもなく、新聞記者でもなく、何だかカタカナ表記だしかっこいい仕事に違いないわ…!」と、たくこは希望に胸をふくらませてライターになったのでした。でも現実は厳しいの。思ったより厳しいの。自戒の意味もこめて、今回は駆け出しライターたくこが「ライターが最初にぶつかる3つの壁」をご紹介。ほんの少しでも「ライターになりたい!」という方の参考になれば幸いです。
1つめの壁『気の緩み』…ライターの名刺をもらったことで満足しちゃうの巻
「ライターになったぜー!!ひゃっは―!!」と意識する瞬間No.1は、やはり名刺をもらったときでしょうか。ライターデビューおめでとうございます。まずは落ち着いてくださいね。名刺をもらった段階ではまだライターのキャリアがスタートしただけの状態。かくいう駆け出しライターたくこも、ライターと書かれた名刺をもらった瞬間は今でも鮮明に覚えています。だってうれしかったんだもん。念願のライターデビューなんだもん。でも、ここで意識したいのが、ライターになることだけが目的ではないというところ。ライターになってからこそやりたいことがあるから、この仕事を選んだはず。名刺をもらったことは頭の片隅に置きつつ、文章のスキルをせっせと磨きましょう。たくこも頑張ります。
2つめの壁『漢字馬鹿』…やたら難しい漢字を使いたがるの巻
「よし、原稿できたー!」というわけで、さっそく師匠に原稿チェックしてもらうと、「おいたくこ。この漢字の量は何だ。漢文ですか。もはや漢文ですかこれは。」なんて指摘を受けることも。原稿を作っていると、どうしても読み手に「かしこそうな文章だと思われたい…!」と意識してしまう瞬間があるもの。そんな時に陥る現象がこの「漢字馬鹿」シンドローム。難しい漢字を使うと、ぱっと見でちゃんとした文章に見えたりするんですね。でもそれはNG。たくこは、師匠から「小学3年生が読んでも読みやすい文章を」と言われています。「宜しく」を「よろしく」に、「致します」を「いたします」に、「魑魅魍魎」を「ちみもうりょう」に。最後の例は華麗にスルーしてもらってOKですが、読み手の読みやすさを意識してなるべく漢字の量は減らしていきたいですね。
3つめの壁『カン違い』…自分が書きたいことだけ書いて叱られるの巻
「私は自分が書きたい文章を書いて、世の中に認められるライターになるの。うふ。」なんて思わないように!!と、たくこも師匠から何回も叱られてきました(泣)。文章は誰のためのもの?それは読み手のものです。あくまで、ライターが書く文章は読み手に読んでもらってなんぼ。普段何気なく見ている記事には読み手に対する気づかい、おもてなしの精神が凝縮されているんです。そしてどんな文章であっても、その文章には必ずターゲットが設定されています。いま自分の作っている文章は、きちんとターゲットに向けた内容になっているのか。ターゲットに対してメリットは提供できているのか。「自分の書きたい文章」が先行すると、それが足かせになることもしばしばあるんです。
【まとめ】
どんな仕事でも、「壁」には必ずぶつかるもの。特に憧れていた職業についたとなれば、早い段階で実際の仕事内容とのギャップが…ともなりかねません。駆け出しの分際で言わせていただくと、ライターという仕事は、その中でもギャップが大きい仕事なのかなと思います。まずはコンセプトをしっかり作り、細かい文章のつながりや単語の選び方をひたすら修正し、ターゲットに届く文章を作る。地道な作業が実を結ぶ仕事です。ただ胸を張って言えるのは、「考えることの楽しさ」を存分に味わえること。新しい視点が見つかる瞬間は仕事中に限らず、最近は本当にずっと文章のことばかり考えているような。それが楽しいと思えれば、きっと「壁」なんて大したことはないはず。夢中になっているうちに「壁」を乗り越えていたなんてことも、よくあることなんですよ。