勉強、仕事、ステップアップ、移住・・・ロンドンで暮らす日本人がどうしてロンドンで暮らすことを決めたのか気になりませんか?そこで、ロンドンで暮らす日本人女性にインタビューを敢行。日本での生活のお話やロンドンのお話、そして、今後について迫ります。
今回お話してくれたのは、ヘアメイクアーティストの宮西亜季さん。「コネなし、お金なし、英語力なし!」でも渡英を決めたという宮西亜季さんのパワフルなロンドンライフをご紹介します。
答えてくれた人:宮西亜季さん(31歳)
新潟県出身。化粧品会社勤務、ウェディングのヘアメイクの経験を経て、フリーのヘアメイクアーティストとしてテレビやイベントの仕事に携わる。ワーキングホリデービザを取得し、2015年7月からロンドン在住。
渡英を決めた理由
Q:日本ではどんなヘアメイクのお仕事をされていたとのことですが?
「ロンドンに来る前は、フリーのヘアメイクとして東京で働いていました。イベントや撮影のお仕事が多かったです。フリーになる前は化粧品会社に勤めていました。その後ウェディングのメイクの経験なども経て、ヘアメイクとして独立しました。フリーランスだったこともあり、とても多忙な毎日を送っていました」
Q:なぜイギリスに来ることを決めたのですか?
「高校生のときにホームステイをしたことがきっかけで、「海外に住んでみたい…」という思いがずっと自分の中にあって、ワーホリに挑戦することを決めました。イギリスに決めたのは、ワーホリで行ける国の中でも1番ヘアメイクの勉強ができそうと感じたからです」
ロンドンでの生活は?
Q:ご自身で「コネなし、お金なし、英語力なし」とブログで書かれていますが、ロンドンではどんな生活を送っていますか?
「ロンドンに来るにあたってはエージェントを利用することもなく、語学学校にも通っていないんです。最初の10日間だけドミトリー(※)を予約し、ロンドンに来て家を探しました。家はネットを活用してフラット(※)を探しました。実は英語は本当にまだまだで…」
※ドミトリー:宿泊施設の相部屋
※フラット:イギリス英語でアパートやマンションのこと
Q:それでもロンドンでもヘアメイクのお仕事に携わられていますが、どんな風に仕事を得たのですか?
「最初は本当に興味本位で、自分のツイッターに“無料でヘアセットをやります”と書き込んだらどうなるんだろう?という思いから書き込みをしてみたのです。そうしたらロンドンのフォトグラファーの人が連絡をくれて。そこから少しずつ人との繋がりができ、お仕事をいただけるようになったり、仕事の現場に呼んでいただけるようになったりした感じです。本当に最初はロンドンに知り合いがいなかったので、ロンドンに来てロンドンでコネクションを築いていきました。同時にメールを送ったり、ヘアメイクの募集に応募したり、営業も行なっています」
Q:「コネなし、お金なし、英語力なし」で困ったことはありませんでしたか?
「お金は、なかなか大きな問題でした。でも、なんとかヘアメイクだけの仕事だけで今のところは暮らせていて、とてもラッキーだと思っています。実は本当にピンチになったときが一度ありました。そのとき、藁にもすがる思いで美容院に飛び込みで営業に行ったら、そのお店のオーナーがときどきお手伝いで働かせてくれて…。一度は断られたのですが、よっぽど私が切羽詰まって見えたのか(笑)でも、おかげで本当に助かりました。オーナーには本当に感謝しています」
「今までに約20カ国以上の国に旅行に行きました。どこに行こうとかは決めておらず、そのときの気分で安いときに行くことが多いです。すごく強烈な体験として覚えているのはサハラ砂漠で、本当に無音。その中でたくさんの流れ星を見てすごく感動しました」
ロンドンを振り返って、またこれからのこと
Q:ワーキングホリデービザの期間も残すところ約半年とのことですが、ロンドン生活を振り返ってみていかがでしたか?
「ロンドンに来て、友達もいないし、お金もない。仕事も言語の壁にぶち当たってうまくいかなかったときもあり、中途半端な自分をダメだと思ったこともありました。でも、だんだんとそれでもいいんだと自分を肯定できるように変わっていきました。人生は中途半端で不安定なものなのだから!とポジティブに考えられるようになったんです。自分のことを責めたりした時期もありますが、今は不安定でも楽しい!と感じています」
Q:海外に出ることを考えている人にどんなアドバイスがありますか?
「特に女性は仕事や結婚、年齢などのことを考え、海外に出ることを躊躇してしまうことも多いと思います。でも、海外に出るだけなら誰でもできるんだから、出てみてもいいじゃない?と思っています。海外で暮らしていけるかな?不安だな?と思うのはみんな一緒。ダメなら帰ればいいんです。それだけです。すごくシンプル。私もお金もないし英語もできないけど、行っちゃえ!お金がなくなったら帰ればいい!という感じでロンドンに来て、今に至りますから。もし海外に行くことを迷っている人がいたら、とにかく挑戦してみてほしいと思います。ダメなら日本に帰ればいいだけ!」
今後のことを教えてください
「7月から1ヶ月間スペインに滞在しようかと計画しています。でもその時の気分なので、どうなるかわかりませんが(笑)。ただ、どこにいても私は私だと思っています。自分が心地良く、楽しく、過ごしやすいところで暮らしていきたいと思っています」
【まとめ】
お金もコネも英語力もないまま日本を飛び出したという宮西さん。それでもロンドンでヘアメイクのお仕事を得て、パワフルに活動している姿にはとても勇気をもらいました!年齢を重ねれば重ねるほど、海外に出ることに迷いが生じるのは確かですが、そんな迷いをふっきてくれるようなお話でした。