私が初めて会社を経営したのは26歳。アルバイトをしていた会社から独立し、ソフトウェア開発会社を起業しました。2回目の経営は38歳、ITサービス販売会社でした。そして42歳、3回目にして夢の美容業界で起業することができ、現在に至ります。
20代、30代、40代と、まったく異なる業界での経営を経験しましたが、やはりそれぞれ見えたことも実現できたことも異なっています。女性が経営者になって感じることは何か。私の各年代の経営経験を踏まえ、女性の経営や独立について考えてみたいと思います。
【1】注目されるメリットと表裏一体のもの
最初の独立起業のきっかけは、ITの勉強のためアルバイトをしていたソフトウェア開発会社の30代女性役員の存在と彼女の役割でした。私の年齢のすぐ先にいる女性が会社経営をし、そして強力なコネクションを持って営業しているということに刺激を受け、社内の技術者を引き抜き、独立しました。珍しい業界の20代女性経営者として『注目される』メリットを最大限に活用しましたが、だからこそ重要なことがありました。私自身の『経験や技術に裏打ちされた実力』です。しかもそれは、注目されればされるほど見られます。このときに私が学んだのは、注目されるメリットと実力は表裏一体であること。今の私の根底にあるものです。
【2】能力とは別の事業特性がある
2回目に経営者になったのは、IT業界で技術と営業という両方の経験を10年積み、所属していたITサービス販売会社の代表取締役に任命されたとき。性別関係なく能力を評価されたことが嬉しく、また自分としても実力をつけたという自負があり、迷わず就任しました。それまでの事業を引き継ぎつつ、新たな事業にもチャレンジする『柔軟性』と『思い切りのよさ』は評価されましたが、なかなか結果が出ません。理由は簡単です。営業手法や業務内容に『強靭な体力』が必要だったから。このままでは事業も体力も続かないとの判断で適任者へ経営を交代し、私は経営企画や事業マーケティングなどの経営経験を活かした戦略的な職種へ転職しました。事業と自分の特性を改めて考えさせられ、その両方が合わないと経営者にはなれないと思い至りました。
【3】特別なのは経験を力に変える強さ
自分の特性に合った事業を、と想い願い、満を持して独立起業したのが美容業界です。20代からの夢であった強い想いと女性である特性を最大限に活用しながら、これまでのすべての経験を活かすことのできる事業だと確信しました。そして今、経営者になって感じることは、どんな経験にも無駄はないということ。女性であるからこそ感じた、たくさんの思いや経験はとても貴重で特別です。女性であることは特別ではありません。すべての経験を力に変えて進んでいく強さ、これこそ女性が経営者になる最大のメリットだと思います。
まとめ
女性が独立起業して経営者になることは、もう特別なことではありません。多くの女性たちが活躍し、女性たち自身で比較し成長していける環境があります。性別や年齢を気にすることなく、自分自身と事業に集中できれば、おのずと経営者への道は開かれると思います。