自分のデスクしか照らし出さない薄暗い照明、静まり返ったオフィス、終わりの見えない仕事の山…。残業の記憶といえば、思い出すだけで心がズーンと重くなるもの。しかしときには、しんどい時間だからこそ人のやさしさにふれたり、あたたかさをいつもより感じることも。そんな残業中に起きた心温まるひとコマをご紹介します。
やっぱり嬉しい!お客さんからの感謝
「ありがとう」「助かったよ」という、取引先やお客様からの感謝の言葉。それまで頑張ってきた苦労が報われたなぁと、こちらも嬉しくなるもの。筆者もそういった経験があります。取引先に提案したプロジェクトの先方の確認期日当日のこと。メールで返信をもらうことになっていたのですが、「返信が夜21時以降になりそうで…」と申し訳なさそうな担当者からの電話が。一瞬「困ったなぁ…」と思いつつも、他にやる仕事もあったので快諾。すると、当初の予定よりも早い20時頃にメールの返信が。しかもメールだけで終わらせず、「遅くまでご苦労さまです!残業ありがとうございました!大変助かりました!」とわざわざ電話をかけてきてくれたのです。ビジネスマナーとしては当たり前かもしれませんが、しっかりと相手を思いやるねぎらいと感謝の言葉をくれたことが嬉しく、心が温まりましたね。
定時を過ぎたら現れる…残業サンタクロース
定時を2時間ほどすぎ、残っているメンツもポツポツとまばらになった頃…。疲労のピークも過ぎ、ぐったりしはじめたメンツのデスクに、ひっそりと謎の袋を持ってまわる上司がいました。その上司は「おつかれさま!遅くまで残っている人だけ特別~♪」と声をかけ、袋からお菓子をひとつ取り出しては部下のデスクに置いていくのです。それもコンビニで売っているものではなく、デパ地下や有名パティシエの美味しいお菓子ばかり。さすがに毎回というわけではありませんでしたが、疲れている部下には嬉しい心配りではないでしょうか。「お菓子をひとつ」というところにも、ほっこりと心温まるものがありますね。
走り続けたから見えてきた!達成感という名の喜び
会社が立ち上げたものの、誰がどう見ても受注が無理そうなプロジェクト。しかも進行するにつれて規模が拡大、業務量も比例して多くなり残業続き。いつまでやればいいの!?本当に終わるの!?と、プロジェクトメンバーはみな絶望の淵…いや、底に落とされた気持ちにもなります。もう全然ゴールが見えない、プロジェクトごと頓挫するのでは?となかば諦めつつも、残業続きの果てに見えてきた一筋の光…。しかも蓋を開けてみれば、プレゼンもすんなり通って受注成約!そんな状況なら、喜びや達成感もひとしお身に沁みますよね。「やり遂げた!」というメンバー同士での士気の共有、信頼関係の高まり…。まさに仕事の報酬は仕事という、心温まる場面のひとつではないでしょうか。
まとめ
過労死や残業代未払いなどの問題から「残業=悪」といわれがちですが、やらなきゃいけないものややったからこその喜びもあるのではないでしょうか。とはいえ、筆者は残業肯定者ではありません。違法な残業はもちろんのこと、無駄なもの、強制的な残業はカットすべきと思います。