「時短勤務」というと、産休後に育児と両立しながらの仕事復帰に利用する制度というイメージが大きいかと思います。しかし高齢化社会が進む中、介護のために利用している人も増えてきており、ワーキングママだけの制度とはいえなくなってきているでしょう。また、厳しい雇用情勢が続く中で、ワークシェアリングといった考え方も広まりつつある今、時短勤務の選択理由と可能性は広がってきています。そこで働く女性が知っておくべき「時短勤務」のメリット、デメリットについてまとめました。
やっぱりここが便利!時短勤務を利用するメリット
メリットとして一番にあげられるのは、やはり勤務時間の調整ができること。その多くは、定時よりも早く退社ができることにつきます。会社が定めている制度によりますが、出勤時間の調整ができる場合もあるようです。自分の暮らしの事情に合わせて勤務時間を短くし、勤務時間外を有効活用できるメリットはとても大きいもの。みんなが働いている中でひとりだけ先に帰るのは抵抗がある人もいるようですが、罪悪感なく職場から退社できるといった声もあります。それもそのはず、「時短勤務制度」という会社が定めた正式な制度を利用しているわけですから。利用条件にあてはまっていれば、誰でも利用できるのです。育児だけでなく、介護や通学などさまざまな理由で利用する人は少なくありません。これからも増えていくのではないでしょうか。
キャリアにかかわる?時短勤務になったときのデメリット
デメリットとしてあげられるのは、職種にもよりますが、夜まで続く仕事や打ち合わせに出れないことでしょう。そのため、企画段階でプロジェクトのメンバーから外されてしまう、仕事を持ち帰らなければならないことも。時短勤務者が実績を積んでいれば、調整をしてくれる場合もあるようですが、多くは仕事を頼まない方向に流れてしまいがちです。また、職場や取引先との飲み会などにも参加することが難しいためコミュニケーションの場も少なくなり、孤独感やストレスを感じるときもあるのだとか。極端なケースでは時短勤務者の昇級・昇格はなしと設定されている場合もあり、キャリアを積んでいきたい方には何とも厳しい現状といえるかもしれません。
時短勤務を利用するときに気をつけたいこと
時短勤務を上手に利用するためには、気をつけたいポイントがあります。会社内で時短勤務制度がどのような位置でとらえられているか、ということ。大企業などで社員の数も多く、時短勤務制度が昔から設けられていたのであれば、前例があるため理解は進んでいるでしょう。しかし、その会社内で時短勤務者の活躍実績や活用事例などの前例がない場合、実態がよくわからないまま固定観念にとらわれてしまっていることもあるようです。例えば、育児のために時短勤務を希望したところ、旦那が働いているのだから社内水準より給与を低くしても大丈夫だとか、労働力が社内平均の基準を満たしていないから評価対象外など…。もちろん、フルタイム勤務との差異をまったくなくすことはできないでしょう。給与も評価も多少ハンディがあるのは仕方のないこと。ですが、「時短勤務」への理解が進んでいる、まったくないのとでは時短勤務における「働きやすさ」が違ってくるようです。
まとめ
時短勤務はこうしてみると、デメリットのほうが大きいようにも思えます。しかし、さまざまな事情を抱えた個人のライフワークバランスを守るためにも時短勤務は必要なもの。利用者の中には自分だけ早く帰ることに抵抗をもつ人もいるようですが、時短勤務は労働時間が短い分、給与も低くなります。給与に見合った仕事と考えたら、とくに不自然な働き方ともいえないはず。時短勤務制度が利用できる期間も定められています。それまで変に罪悪感を持つよりも「業務量の調整」として自分の中で境界線を引き、割り切ってみるのも手ではないでしょうか。