働くあなたが主人公!現場の声から職場を活性化『第4回GOOD ACTION』レポート(後編)

働くあなたが主人公!現場の声から職場を活性化『第4回GOOD ACTION』レポート(後編)

グッドアクション2017表彰式

2018年2月13日に行なわれたリクルートキャリア主催の『第4回GOOD ACTION』。前回に引き続き、表彰式の模様と受賞取り組みについてお伝えします。普段なかなか知ることができない、他社の社内事情や想い…残り4社の企業もそれぞれ独自の着眼点と目標を持ち、取り組みを推進していました。

渋谷から発信!働く人のための健康経営推進/渋谷ウェルネスシティ・コンソーシアム

左:審査員のアキレス氏 右:渋谷ウェルネスシティ・コンソーシアムの平井氏
左:審査員のアキレス氏 右:渋谷ウェルネスシティ・コンソーシアムの平井氏

発起人はDeNAで働きながらプロゴルファーを目指すアスリート会社員の平井さん。社内を見渡したときに忙しさから食事をおろそかにしていたり、運動不足や姿勢の悪さから腰痛や肩こりといった不調を抱える社員の多さに気づき、「パフォーマンス向上のための健康化」を社内で推進することを決意。『病気にならないようにする』のではなく、『体を正しく使って健康になれば、もっと集中力を高められる』という観点から、健康サポート専門部署CHO(Chief Health Officer)室を立ち上げました。

CHO室の取り組みは『スマイル健康プロジェクト』として社内に周知されており、食事・運動・睡眠・メンタルの4軸でPDCAを回して取り組み内容を改善。また、社内の一角に身体の筋肉をほぐすフィットネスマシンを設置したり、姿勢を正す健康チェアを会議室に取り入れたり、健康セミナーを開催するなど働きながら健康を保つ取り組みも実施。

その活動の幅は社内にとどまらず、渋谷にオフィスがある東急電鉄やKDDI、サイバーエージェント、ミクシィなど9社が集まり、コンソーシアムを結成。流行を発信する街・渋谷から「健康の大切さや価値」を広げるべく、経産省や渋谷区、商工会議所、医師会の協力も得て、ノウハウの共有などを行なっているそうです。

表彰後のスピーチでは出勤しているにも関わらず、心身の健康上の問題によりパフォーマンスが十分に上がらない状態である「プレゼンティズム」に着目したスライドを掲示。社内で年間どれくらいの損失を生んでいたのか?グラフで可視化された年間損失23.6億円という驚きの金額に、改めて普段健康について考える機会が少ないこと、そして維持の重要性に気づかされました。

旧態依然に一石を投じる、業界初の若手有志組織を設立/一般社団法人 建設コンサルタンツ協会(若手の会)

左:審査員のアキレス氏 右:株式会社オリエンタルコンサルタンツの伊藤氏
左:審査員のアキレス氏 右:株式会社オリエンタルコンサルタンツの伊藤氏

建設コンサルタントという職業を聞いたことはありますか?建設コンサルタントとは、橋やダムなどを設計する土木技術者のこと。生活の基盤となる「住」を支え、次世代へ繋がるインフラストラクチャーをつくる職ですが、建設コンサルタント業界には「官依存のビジネスモデル」、「発注者(役所)のお手伝い的な受け身の働き方」、「蔓延する長時間労働」など旧態依然とした課題がありました。

株式会社オリエンタルコンサルタンツの伊藤さんは、そんな若手が将来を描きづらい状況を打破したいと、業界団体である建設コンサルタンツ協会内に若手有志組織を結成。未来を担う若手が主体的に自分たちの将来を考え、議論する場をつくりあげます。活動は業界将来ビジョンの提言や若手交流会の開催、「魂のメルマガ」発刊など。業界初となる若手だけの組織だけに周りから懐疑的な目を向けられつつも、1年がかりで「協会お墨付き」をもらい、各企業からもメンバーを招集しました。

一企業の枠を超えた組織は、批判を受けても「こうした反応があるのは、業界に一石を投じることができているからだ」と前向きに捉え、自分たちを鼓舞しながら活動を継続。少しずつ応援者を増やし、今では全国9支部すべてで若手組織が設立され、参加人数は約180人に拡大。変化を起こしにくい業界の中で課題に真正面からぶつかり、行動に変えたことが大きなムーブメントを起こす可能性を生み出しています。

社員の情熱と才能を解き放つ「公式アナウンス部」立ち上げと発展/ヤフー株式会社

左:審査員の藤井氏 右:ヤフー株式会社の高橋氏
左:審査員の藤井氏 右:ヤフー株式会社の高橋氏

ナレーターを副業としていた社員の高橋さん。社内イベントに携わった際に、ナレーターや司会といった「語り手」の力でもっとイベントの品質を良くできる!と、立ち上げたのが「公式アナウンス部」。自分だけではなく他の社員の力でも改善できると信じ、話すスキルや素養を持った社員を集めました。

メンバー全員が企画・開発・編集などの本業を持ちながら、週2回の本格的な基礎練習や現場経験を重ね、今ではさまざまな場での司会・ナレーションを年間100本以上も担当。記者発表など社外向けイベントでも活躍する「社員アナウンサー」を輩出するなど、目覚ましい成果をあげています。

また、活動によって得た人脈やスキルが本業に活きているメンバーも多く、「社内にいながら副業」というユニークな状態を生み出しているそうです。実際に表彰後のスピーチで、高橋さんの磨かれたスキルを体験することができました。声の通り方、活舌、抑揚、発言の間に至るまで聴衆を取り込むポイントを網羅した話し方で、Yahoo!公式アナウンス部の実力がうかがえました。

全社員でつくる、境界線が曖昧なオフィスリノベーション/株式会社CRAZY

左:審査員の藤井氏 右:株式会社CRAZYのクリエイティブディレクター林氏
左:審査員の藤井氏 右:株式会社CRAZYのクリエイティブディレクター林氏

株式会社CRAZYでは、年末から年始にかけて約2週間業務をクローズし、全員参加で何かに取り組むという試み「全社員計画」を通じてカルチャーを発展させてきました。2016年の全社員計画では、オフィスを自分たちらしい働く場へと生まれ変わらせるリノベーションを実施。

前年に自社のカルチャーを発信する拠点として移転したのは築60年のオフィス。しかし、“人の家とも自分の家とも感じない”ような、コンセプトがない状態でした。そこでCRAZYらしさを取り戻すべく、ほぼDIY素人のメンバーが奮起。作業に行き詰まりながらも、ネットで方法を検索したりして試行錯誤を重ねながら解決。できあがりのクオリティよりも自分たちの居場所を、自分たちで作ったという誇りをみんなで共有することを大切に、何とかリノベーションを完了させました。

今では、他社の社員が見学に来たり、社員の親や子どもが訪れるようになったりと、公私含めて年間1500人以上が訪れるにぎやかなオフィスに。会社から当たり前に提供されるオフィスという空間を、社員それぞれが自分事として自発的に動き、「自分でつくった」と胸を張って誇れる空間に変えた劇的な取り組みでした。

【まとめ】

どの取り組みも個人の気づきやアイデアが周りの人々を巻き込みながらカタチになったものばかり。人が築いた“会社”という枠の中にいると、どうしても変えられない、変わらないことばかりに気をとられてしまいます。しかし、そこからどうしたら変えていけるのか?変わろうとするのか?変化を恐れない前向きな姿勢が表彰された8つの取り組みにはありました。また、“自分達らしい働き方”の意義をしっかりと持ち、楽しむことも忘れていません。働き方に多様化が求められている今、アクションを起こすチャンスの追い風が吹いています。あなたの会社でも、グッド・アクション起こしてみませんか?

審査員の顔ぶれ

審査員

左から

若新 雄純(わかしん ゆうじゅん)
慶應義塾大学特任准教授/株式会社NewYouth代表取締役

守島 基博(もりしま もとひろ)
学習院大学経済学部経営学科教授

アキレス 美知子(あきれす みちこ)
SAPジャパン株式会社 バイスプレジデント
横浜市政策局男女共同参画推進担当参与
NPO法人GEWELアドバイザリーボードチェア

藤井 薫(ふじい かおる)
株式会社リクルートキャリア リクナビNEXT編集長

第4回GOOD ACTION 公式ページ

GOOD ACTIONロゴ リクナビNEXT

★第4回GOOD ACTION WEBページ
https://next.rikunabi.com/goodaction2017/

★GOOD ACTION Facebookページ
https://ja-jp.facebook.com/goodaction.rikunabinext/

→表彰式 前編はこちら
→第二部のワークショップレポートはこちら

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