こんにちは。「恋愛・婚活研究所」主宰のにらさわあきこです。今回から、恋に悩めるみなさまのご相談に乗らせていただくことになりました。どうぞよろしくお願いします。
第一回目は不倫の相談です。悩ましいですが、実際のところ不倫の恋をする女性は多いです。
しかも相手が既婚者と知らないで付き合い始めたケースもありますが、たいていは女性の場合不倫だとわかって始めている。いったいどうすれば幸せな気持ちになることができるのでしょうか。
それでは今回の相談を見てみましょう。
Q:将来のため、目の前の幸せを手放すべきでしょうか?
年齢:26歳
職業:看護婦
現在、職場の人(妻子持ち)と不倫をしています。誰かに祝福されるような関係でないことは重々承知していますが、私は彼のことが大好きです。
もし、一緒になれるのであれば、親と縁を切っても良いくらいに思っています。そして彼も、今の奥さんとはいつか離婚して、私を選びたいと言ってくれています。
ですが、いつになるのかはわかりませんし、実現の可能性がどれくらいあるのかもわかりません。
私自身いますぐ結婚したい気持ちは特になく、何より今は不倫でも彼と一緒にいれるだけで幸せなのですが、このままでいいのだろうかという気持ちもあります。
もし、彼がずっと離婚せず、おばさんになってから捨てられたら……と彼をどこかで信じきれずにいます。ただ、わからない将来のために今の幸せを捨てる勇気もありません。どちらにも潔く振り切れない私にアドバイスください。
将来への不安が悩みを産む
今回の相談者さんの場合は、今の付き合い方がそれほど嫌というわけではないのですよね?
彼が好きだし、「彼と一緒にいられるのなら、不倫でも構わない」というお気持ちがある。
しかし、将来について考えると、「いつか一緒になろうという彼の言葉を信じられない自分もいる」というから、将来への不安が悩みを生んでいるというわけです。
これは悩ましいですよね。彼とは絶対結婚できないというなら、こちらの気持ち次第ですが、
推測するに、彼は「いつか離婚して相談者さんと結婚する」とおっしゃっているのでしょう。
そして相談者さんはもちろん、「彼と結婚できたらいいな」と思っている。だからこそ、「今は幸せ」だけど、将来のことを思うと、「(自分が結婚したくなったときに)果たして彼は本当に離婚して自分と結婚してくれるのかわからない」から不安になるのでしょう。
まずは現状を把握する
となると、まずすべきは、現状を正しく認識して、ゴールを設定することです。相談者さんにとっては、彼が「いつか結婚してくれる」というのが不安要素なわけですから、ここは辛くても思い切って彼に一度聞いてみなければなりません。
「将来は一緒になろうね」というような、いわば夢物語レベルの話ではなく、本気で離婚する気があるのか、あるならいつ頃なのか、相談者さんの側から期限を切って、本心を聞き出さなければならないでしょう。
彼とつきあってどれくらいになるかにもよりますが、
「交際1年たったら、奥さんと別れる」などの具体的な日付を決めるのは大事です。
その際に、相談者さんのスタンスとしては、「離婚しないのなら別れる」という姿勢を貫いて良い。というよりも、それくらいの強い姿勢を持たなければ、離婚はしないものだと思ってください。
とはいえ、今の相談者さんの様子からすると、「結婚できなくてもいい。彼と一緒にいられるのなら」という感じなのでしょうね。
しかも、彼が「1年以内に離婚する」と言ったとしても、1年後に、「ごめん、今はまだ、無理だ。もう1年待って」とか「子供が大きくなるまで10年待って」とか言い出したとしても、「好きだから仕方ない」と彼を受け入れてしまいそうです。
自分の未来は自分で決める
いえ、もちろんそれでもいいのです(詳しくは後で説枚します)。が、たとえそうだとしても、今の時点で彼に期限を区切ってもらおうとするのはとても大事なことです。
事実を確認する以上に、相談者さんの覚悟が決まってくるからです。実際、このあとの関係がずるずると長引くものになる可能性は十分にあるでしょう。
でも、相談者さんの心の中に「私が選んだ未来なのだ」という覚悟があれば、悩むことは減ります。
つまり、人は覚悟がないから、心の中に悩みをいつも抱えることになるのです。
これは、不倫だけでなくあらゆる恋愛の悩みに通じることですが、悩みが生まれる理由のほとんどが、「恋愛は相手のあること」なだけに、「自分一人」で「未来を決められない」と「思い込んでしまうこと」なのですよね。
あえて「思い込んでいる」と書ましたが、自分の未来は、どんな場合でも自分で決めることができるのです。
では、決められるのに、なぜ人は決めようとしないのか……?
それは、何かを決めると何かを失うと思い込んでいるからで、失うことを恐れるあまりに、道を決めないでいるからなのです。
自分で決めれば幸せになれる
でも、実はこれは大きな誤解で、決めないことが幸せを遠ざけているのですよね。つまり、道をエイッと決めた方が「快適な日々」が送れるのです。
たとえば仕事で説明すると、指示されて行うのは「作業」でも、自分で決めて行うのは「クリエイティブ」ですし、「やれ」と言われて掃除するのが嫌な人でも、自分で決めてする掃除は楽しいでしょう。
または、指示されて行うことであっても「自分で」この人に指示されるという道を選んだのだとすれば、苦になりません。
デートで言うなら、「私が食べたいのはイタリアンだけど、彼は和食を食べたいと言っている」ときに、自分の言いたいことを我慢して、彼の言うがまま和食を選べば、鬱屈する気持ちが残るでしょう。
でも、最初から「彼が食べたいものを食べたい」と決めていれば、和食もウェルカムになったりする。
つまり、自分の選ぶ将来は自分で考えて、納得して選ぶことが大切なのであって、
彼が「離婚してくれるかどうか」わからないのに、その「離婚する」というあやふやな言葉を判断基準にせざるを得ないのが、今の相談者さんのストレスなのです。
そして「彼が離婚しないと言ったら嫌だ」という恐れが、相談者さんに先に進むこと、つまり道を選ぶことを躊躇させているのです。
「道は選ぶ」のではなくて「作る」もの
何かを選ぶと、何かを捨てなければならないというのが本当だとしても、人の人生に関して言えば、そんな単純なものではないので、安心してください。
「Aを選んだら、Bはない」と思うから、Aを選べないのでしょうが、実は私たちの未来って(というよりも幸福感なんて)、Aで感じる幸せと、Bで感じる幸せのどちらかなんてものではなく、いわばオーダーメイドの服を着るようなジャスト感のあるものなのですね。
これは、実際に体験してみたいとわからないと思いますが、今までの与えられたものを選ぶ人生から、自分で作る、決める人生に変えた人は、オーダーメイドの心地よさを強く主張します。
たとえばあなたがマグロの刺身が好きで、「加熱したら、刺身のおいしさが失われてしまう」
と何もしないで、ただマグロを見守っているとしたらどうでしょうか? あなたはマグロの刺身の味しか分かりませんよね。
それよりも早く調理して、自分なりの味付けをする道を選んだら、ビビンバとか煮物とか、今まで出会ったことのない美味しさに必ずや出会えるものなのですよ。
そして、それには決断しなければ!
今、自分で人生を決めること、たとえば彼が「離婚はできない」と言い出すのだとしても、それを恐れずに包丁を入れることがマグロを一番美味しく食べる秘訣です。
なぜかというと、マグロはいつまでも刺身のままにはしておけないからです。恋愛も、そのまま放っておくわけにはいきませんよね。
どういう将来を過ごしたいか
つまり今の相談者さんにとって大事なのは、現在の状況や条件を踏まえて、そのうえで自分がどういう道を選ぶのかを自分で決めてゆくことです。
彼が結婚してくれるなら付き合いたいのか、そうでなくても付き合いたいのか。
結婚しないなら別れるのか、それとも、何歳までは付き合うと決めるのか……。
「結婚してくれる場合に限って付き合いたい」というのなら、「いつまでに彼が離婚したら、その言葉を信じられるのか」
相談者さん自身が考えて、彼に伝えるのが大事です。いずれにしても肝心なのは、相談者さんの人生を「彼ありき」で考えるのか、「自分の夢の未来ありき」で考えるのかが問われるということです。
相談者さんの思考は今の時点では、まず現状があって、そこにいる自分が見えない未来に向かって進んでいるというようなイメージです。しかし、今後はこういう未来に向かう「途中の今」という風に変えましょう。
例えば今から10年後、36歳になったときに相談者さんはどういう人生を送っていたいですか?
映像でイメージしてみましょう。
もしもそのときに、家族に囲まれて、幸せそうにしているのならば、結婚は相談者さんにはマストです。
夫はどういう人が理想か
またそのときに、どういう男性と過ごすと自分らしくしていられるかもイメージしてみましょう。
そしてその相手として、今の彼がふさわしく思えたら、離婚前提で付き合い続けても良いでしょうし「違う」と感じるなら、自分で決めた「結婚相手と知り合う」時期までにつきあうだけの相手だと思っておえば良い。
いずれにしても、相談者さんが自分で納得して道を決め、今を楽しむのが大事です。とはいえ26歳では5年後や10年後を考えたとしてもなかなか大きな決断はしづらいかもしれませんよね。
そんな場合には、「死ぬとき」をイメージしてみてください。死ぬときに、「自分はこの人生でよかった」と思える生き方につながる選択を今現在しているかどうか。
死ぬときなんてずいぶん先と思ってしまいがちですが、しかし実は死はいつ誰に降りかかってくるかどうかわからないものです。
だから、ぜひイメージしてください。相談者さんが死期を迎えるときに、今の生き方は、自分で納得できるかどうか。
自分で納得できる人生につながる選択をしているかどうか。
それらを踏まえ、「でも彼が良い」と思えるのか、「彼とは一時」と考えるのか、止めるのか……それを考えてみてください。
私は形は何であれ、人を愛する人生は素晴らしいと思っていますので、相談者さんが彼を選んで愛することを支持します。
ただし、「彼がどう考えているかわからない」「彼がこうするならこう愛する」というように、彼の動きに左右されるような愛し方だと相談者さんが辛くなるので、そこはどうするか、覚悟を決めると良いのではないかとも思います。
不倫は繰り返しやすい
最後に捕捉なのですが、私はこれまでにたくさんの女性を取材しているのですが、
不倫する人は繰り返しがちという印象が強いです。
思うに、不倫する男性は女性に対してかっこよくできるので、不倫する女性がつい男性に多くを求めてしまうようになるかもしれません。なぜなら、不倫する男性は妻から雑事をしてもらっていますから、女性に対してスマートにふるまえますし、負い目もあるから女性には甘く優しくできるでしょう。
一方、結婚していない男性は至らない面も多いでしょうし、甘い言葉を言わないかもしれません。
けれど、誠実さで言えば、不倫する人よりは高いです。
それらを踏まえて、どういう道を選ぶかは相談者さん次第です。悩みを減らすにはどうすればいいのか、不安をなくすにはどうすればいいのか。自分の心に問いかけて、自分の答えを見つけてくださいね。
こいとり~恋の伝道師にらさわあきこVol.1~今の不倫を続けるべきかを悩んでるあなたへ~