青い鳥症候群という単語を聞いたことはありませんか? 「自分にはもっとふさわしい場所があるはずだ」と考え、仕事や居場所を転々と変えてしまう人のことを指しています。メーテルリンク作の童話「青い鳥」が語源になっており、幸せの象徴である青い鳥を探すチルチルとミチルのように、実体のない幸せを追い求めてさまようことから、その名前がつけられたそうです。その青い鳥症候群が実は恋愛においても当てはまるということ、あなたはご存知でしたか?
「彼氏とデートしても退屈」「もっと理想に近い人がいるのでは」――そんなふうに考えてしまい、誰と付き合っても長続きせず、彼氏をコロコロ変えてしまうのが恋愛における青い鳥症候群の特徴です。しかし青い鳥症候群を克服しないことには、いつまで経っても本当の幸せを掴むことはできません。あなたが本当に愛する男性と幸せになれるよう、青い鳥症候群との向き合い方をご紹介していきます。
青い鳥症候群の特徴って?
青い鳥症候群は、どんなに高い評価や幸福を得ていても現状に満足できず、すぐに環境を変えてしまう落ち着きのない状態をいいます。例えば、こんな項目に当てはまる方は青い鳥症候群の可能性が高いです。
- 「もっと自分にふさわしい職場がある」と思い、何度も転職を繰り返す
- 「理想の彼が他にいるかもしれない」と、彼氏をコロコロ変えてしまう
- 誰と付き合ってもその人の欠点が目についてしまい、気持ちが冷めてしまう
青い鳥症候群のやっかいなところは、“本当は幸福な状態であるのに、それを認識できない”ところ。現実を正しく認識する能力が低いために、自分の近くにある幸福をうまく感じ取ることができないのです。
このほかにも、“自分の容姿は十人並みなのに、イケメンとしか付き合いたくない”という方や、“結婚相手は年収1000万円以上じゃないと無理”という方など、分不相応な幸せを望んでいる場合も、青い鳥症候群の可能性が高いといえるでしょう。「もしかしたら、自分も青い鳥症候群なのでは……?」と感じた方もいらっしゃるかもしれません。しかし、そう思えただけで一歩前進です。まずは自分が青い鳥症候群かもしれないと自覚することが、本当の幸せを得るための第一歩なのです。
パートナーへのイライラは、自己肯定感の低さが原因かも
では、どのように青い鳥症候群と向き合っていけば、幸せな恋愛をできるようになるのでしょうか? 満たされない想いを抱いている方は、自己肯定感が著しく低い可能性があります。自己肯定感は、子どもの頃に親から受ける承認や、成長する過程で成功体験を積むことによって養われていきます。
しかし、なんらかの原因によって自己肯定感をうまく育めなかった場合、その気持ちはコンプレックスとなって本人を苦しめるようになります。まわりにも、誰から見ても美人なのに自分の容姿に自信を持っていなかったり、彼氏から愛されているのにいつかフラれるのではないかと不安がっていたりする方はいませんか? 自己肯定感が低いと現実を正しく認識することができずに、いつまでも満たされない想いに苦しむことになってしまうのです。
自分を愛してあげることが、青い鳥症候群を克服する近道
精神医学によると、満たされない想いを抱いている人は、その想いを別のモノで解消しようとするそうです。例えば、イケメンばかり好きになる女性は自分の容姿がコンプレックスだったり、高収入の男性と結婚したがる女性は貧乏な家庭で育ったことがコンプレックスだったり……。筆者はシングルマザーの家庭で育ちましたが、父親不在の家庭で育った女性は自分も含め、一回り近く年上の男性を好きになる傾向が多い印象を受けます。
無意識の内に、幼少期に満たされなかった気持ちを彼氏の存在で埋めようとしているのかもしれません。しかし、自分の気持ちやコンプレックスと向き合わないことには、いつまでたっても自己肯定感を相手から搾取しようとしてしまい、いい関係を築けないままです。まずは、自分のことを愛してあげてください。自分のことを幸せにできるのは、他人ではなく自分です。コンプレックスや自分のダメな部分と向き合うのは苦しいことですが、その経験は人間として大きく成長できるチャンスです。うまく自分を愛せるようになったとき、目の前の幸せを感じられるあなたになっているはずですよ。
自分の中で譲れない軸を持つ
自分と向き合った後は、相手と向き合ってみましょう。「一緒にいて幸せだと思うけど、いまいち物足りない……」、そう感じてしまう方も多いのではないでしょうか。相手に不満を感じてしまうのは、あなたの中で恋人に求める条件が定まっていない可能性が高いです。例えば、あなたが彼氏にひとつだけ求める条件はなんですか?
- 一緒にいて落ち着く、自分を飾らなくていい
- 共通の趣味があるなど、価値観が似ている
- 将来の結婚を考えられるだけの安定した収入がある
- 自分好みの容姿をしている
などなど、考えてみると意外と難しいのではないでしょうか。「安心感は大事だけど、あんまりダサい彼はちょっと……」「価値観が似ていて落ち着くけど、もっと高収入ならいいのに」など、ひとつだけといわれると選ぶ基準がわからなくなってしまいますよね。しかし、彼氏に求める条件が決まれば、自然と相手にも優しくなれます。例えば、「顔は好みじゃないけど、こんなに自分を飾らないで一緒にいられる人は他にいない」というように、相手に対する不満を感じにくくなるでしょう。
キーワードは、『将来結婚する相手に求める条件』
なにを基準に彼氏を選んだらいいかわからない方は、「将来結婚する相手になにを一番求めるか」ということをポイントに考えてみてはいかがでしょう。付き合うということは、その先に見える結婚も少なからず意識する必要があります。結婚相手に焦点を当てて付き合う彼を選ぶことが、自分が幸せになるヒントかもしれません。
例えば筆者は、付き合う人を選ぶときに「ちゃんと話し合いができるかどうか」を基準に選んでいます。自分の経験上、男の人は都合が悪くなると黙ってしまったり、論点をすり替えたりする場合が多かったので、きちんと話し合いができる人じゃないと結婚生活を送るのは難しいと考えたからです。
それを基準に考えるようにしてから、多少の欠点は「まあ、いいか」と穏やかな気持ちで許せるようになりました。自分が完璧でないように、相手も必ず欠点のひとつやふたつ、あるものです。自分の中で彼氏を選ぶ軸を持つことが、相手との関係を長続きさせるコツだと思います。
それでもダメなら、一旦距離を置いてみて
なるべく相手の長所を見るようにしても、なお「この人よりもっといい相手がいるかもしれない」と思う場合。一旦、距離を置いて様子を見てみましょう。社会人にもなると半同棲になるカップルも多く、ズルズル一緒にいてしまうケースも多々あるかと思います。
生活をともにしていると、気づかないうちに相手の存在に依存してしまっているものです。一度依存関係をなくしてみることで、相手のありがたみを感じるようになるかもしれません。また、相手への気持ちが冷めたのか、倦怠期になってしまったのか、自分で判断できない場合もあると思います。そんなときは、こんな方法を試してみてください。
- 初デートや、思い出の場所に出かけてみる
- 海外旅行やアクティビティなど、普段やらないことをする
- メイクやヘアスタイルを変えてみる
倦怠期であれば、マンネリを打破する行動をとることで、恋愛初期のドキドキ感を思い出せるはずです。もし上記の方法でもダメな場合、ひとりで旅行や行きたかった場所に行ってみるのもいいでしょう。ひとりになったときに「この景色を一緒に見たいな」と思えるようであれば、まだやり直すチャンスは残っています。
自分が決めた人を、運命の相手にしてください
自分の理想をすべて満たしてくれる人なんて、この世にはいません。わかり合うのが難しい他人同士だからこそ、お互いを許しあう努力が必要なのです。ドラマ『逃げるは恥だが役に立つ』でヒロインみくりのお母さんが「いないわよ、運命の人なんて。するの、自分で」と言っていたように、何一つ欠点がない運命の人なんて、はじめからいないのです。
自分が運命の人にすると決めた男性を、努力して愛し続けることが大切なのではないでしょうか。難しいこともありますが、努力する過程で成長し、人間として魅力的になれるはずです。あなたが青い鳥症候群を卒業して本当の幸せを手にする日も、近いかもしれません。
こいとり~つまらない彼氏と別れたい……。恋愛の『青い鳥症候群』の特徴と克服法~
参考文献: