日本列島のほぼ中央に位置する京都は、神社仏閣や古い史跡、昔ながらの街並みがあり、日本有数の観光地として毎年5000万人以上の人が訪れています。そんな数ある京都の観光地のなかでも、恋愛や縁結びにご利益のあるパワースポットをいくつかご紹介いたします。
源氏物語にも出てくる「野宮神社」
嵐山に位置する野宮神社(ののみやじんじゃ)。その歴史は古く、伊勢神宮に巫女(みこ)として奉仕することになった未婚の内親王(斎王)が、その身を約2年にわたり清める際、後半の1年間を沐浴(もくよく)しながら身を清める潔斎生活を送る場として設けられたのが始まりとされています。
その様子は、源氏物語の中の「賢木(さかき)の巻」にも美しく描写されるほど。やがて、南北朝時代になり斎宮制度が廃れると、野宮は神社として発展を遂げることになったのです。
野宮神社の主祭神は野宮大神(天照皇大神)、本殿左側にある野宮大黒天は良縁の神様として知られ、そのそばにある神石(亀石)を、祈りを込めてなでるといいことがあるといわれています。また、源氏物語をモチーフにしたお守りは縁結びにご利益があると人気が高く、希望する人には郵送もしてくれるとのことです。
葉の形がハートの木がある「梨木神社」
京都御所からほど近い梨木神社は、京都の神社の中でも明治18年創建と比較的歴史が浅い神社です。
主祭神は菅原道真の生まれ変わりと言われた三條實萬(さんじょうばんみ)と、その息子で様々な分野で優れた才能を発揮した三条実美(さんじょうさねとみ)。両者とも、幕末期の日本のために尽力した立て役者として知られています。
境内にある染井の水は京都三名水のひとつであり、かつ唯一現存する泉でもあります。その味は、甘くまろやかで地元の人がわざわざくみに来るんだとか。また、ご神木は桂の木で、この葉がハートの形をしていることから愛の木として親しまれ、その葉をなでると愛情に恵まれるといわれています。
境内は、四季折々の草木に囲まれ、季節を問わず自然を楽しむことができます。
牛若丸が修行をした地「鞍馬寺」
鞍馬寺(くらまでら)の成り立ちは奈良時代までさかのぼります。
770年(宝亀元年)に、唐招提寺の鑑真和上(がんじんわじょう)の高弟であった鑑禎上人(がんていしょうにん)が、正月4日の夜、「北の地に霊地あり」と夢の中でお告げを受け、白い馬に導かれるままたどり着いた先で鬼女に襲われたところを毘沙門天(びしゃもんてん)に助けられ、毘沙門天をまつる草庵(そうあん)を結びました。
その後、798年(延暦17年)に、今度は観音を信仰する役人、藤原伊勢人(ふじわらのいせんど)もまた、白い馬に導かれこの地にたどり着き、すでに毘沙門天像がまつられていることを不思議に思っていたところ、「毘沙門天も観世音(かんぜおん)も根本は一体のものである」とお告げがあり、毘沙門天像と観世音菩薩(ぼさつ)像をまつった伽藍(がらん)が作られたのが始まりとされています。
また、牛若丸(源義経)が7歳で鞍馬寺に入山し16歳で下山するまでの間、昼は東光坊で仏道修行を、夜は天狗(てんぐ)に武術や兵法を習ったとされており、その後、武田信玄、豊臣秀吉、徳川家康などの武将が戦勝祈願をしたことでも有名です。
この地から受けるパワーはとても強く、森羅万象すべてが力となって訪れた人の身体と心を満たしてくれることでしょう。また、叡山(えいざん)電鉄が走っているため交通のアクセスもよく、ケーブルカーも設置されているため、山歩きに慣れていない人でも安心して歩くことが出来ます。とにかく、ありとあらゆるパワーを受けたいという人は、訪れてみてはいかがでしょうか。
京都だから味わえる町並みや雰囲気
京都は、街そのものが霊験あらたかな場所。歴史と神と仏の教えに触れることで、新たな自分を発見できるかもしれません。まだ行ったことがないという人は、ぜひ一度訪れてみてはいかがでしょうか。
- 参考サイト:
- 鞍馬寺
- 梨木神社
- 野呂神社