あなたは「ラクロス」というスポーツをご存知ですか?「ラクロス」とは棒の先に網がついた「クロス」と呼ばれる独特のかたちのスティックを持ってボールを拾ったり、パスをしながらシュートを打ち込んで点を取っていく競技のこと。“カレッジスポーツの華”と言われることから、大学に入ってから競技の存在を知って始める人が多く、競技人口の大半は大学生以上の大人が占めています。そして、高校生以下の子どものプレイヤーはほとんどいません。昨今ではドラマや映画、アニメなどで登場する機会も増えた「ラクロス」。しかし、子どもたちが国内で実物の「ラクロス」に触れられる機会は本当に限られており、日本においては「ラクロス」はまだまだメジャースポーツとはいえないのが現状です。
日本のラクロスに灯をともすべく立ち上がったひとりの女性
そんな日本のラクロス界に“夢”を持ち続け、立ち上がったのがオーストラリアのWilderness Lacrosse Clubで、日本人初のプロラクロスプレイヤーとして活躍する山田幸代さん。女子ツク!peopleのインタビューにもご登場いただき、華々しい活躍の裏にあった知られざるエピソードを語っていただきました。
■独占インタビュー【プロラクロス選手:山田幸代】ワールドカップでまさかのスタメン外!? 世界の壁と挫折の味
山田さんが「ラクロス」を始めたのは大学時代。のちにU-20日本代表としてワールドカップに出場しましたが、初めて世界と対峙したときに痛感したのは技術と知識の圧倒的な差でした。そこで山田さんは「いつかオーストラリア代表になって、世界最高峰のラクロス知識と技術を日本に持ち帰る」という夢を胸に、“ラクロス3強”といわれる大会優勝国のオーストラリアに渡ることを決意します。
しかし当時、日本人がオーストラリアでプロのラクロスプレイヤーになるのは日本人がサッカーでブラジル代表になるほど難しいことと言われ、現実は想像以上に厳しいものでした。それでも山田さんはあきらめず、8年もの月日を費やしたのち、ついに今年、2017年のオーストラリア代表に選抜!念願の夢を実現させました。
そんな山田さんの次なる夢は子どもたちが“ラクロス選手になりたい!”と思ってもらえるよう、「ラクロス」を日本で身近なスポーツにしていくこと。将来のラクロスプレイヤーたちを育て、夢をつないでいくプロジェクトの始動です。
世界的なプロラクロスプレイヤー達の試合を見せたい!
プロジェクトの内容は子どもたちや学生に「いつかラクロスをやってみたい!世界的なプロになりたい!」という夢を持ってもらえる機会をつくること。「MLL(Major League Lacrosse)から世界最高峰のラクロスプレイヤーたちを日本に招致し、日本代表とのエキシビジョンマッチ」を行なうというものです。
今回招致するのは“ラクロス3強”のうちのひとつ、アメリカ代表の男性選手たち。アメリカの男子メジャースポーツの中でも「ラクロス」は、野球を抜くほど人気のある競技で、アメリカMLLはバスケットボールでいうNBA、野球のMLBのような世界的なラクロスのプロリーグです。アメリカラクロス協会に登録している男性選手たちは49万6724人。そのうち240名がMLLで活躍していますが、今回招致する選手はその中からさらに選ばれた15名。アメリカのラクロスプレイヤー達の中でも0.01%しかいないエリート集団で、彼らのInstagramのフォロワーは70万人にものぼり、アメリカでは絶大な人気を誇っています。
この試合が実現すれば、世界初の米プロラクロス選手vs日本代表というレアなエキシビジョンマッチとなり、本場のラクロスの試合を多くの子どもたちに見せることができるでしょう。
スポーツ選手として生きることをもっと身近な夢に
そのプロジェクト実現のため、山田さんは自ら「Little Sunflower INC」という会社とブランド「CROSS CROSSE」を設立。自身がラクロスプレーヤーとしてのキャリアを通じて学んだ、周りの意見に流されずに前進することの大切さ、年齢・性別・国境など関係なく心で繋がりあえるスポーツの力を届けたいという想いのもと、スポーツ選手を夢見るすべての子どもたちを支えられるようなプラットフォームづくりに力を入れています。
そのプラットフォームを基盤に海外プロ招致による試合運営だけでなく、ゆくゆくはスポーツクリニックやラクロス独立リーグ運営、アスリート向けキャリアフォーラムなどの事業を展開。将来的に独自の経済圏を構築し、ラクロスを中心としたスポーツ選手たちをサポートしていくビジョンを掲げています。
ラクロスに新しい灯をともす応援を!
「ラクロス」という競技が、子どもたちや学生の夢の選択肢のひとつになることを目指して活動している山田さん。世界初のアメリカプロラクロス選手vs日本代表エキシビジョンマッチ実現に向けて、会社設立や周囲への呼びかけ、協力支援なども積極的にやっていますが、開催実現までの道のりはまだまだあります。そこでさらなる支援を仰ぐべく、クラウドファンディングを行なっています。
詳細はこちら→https://readyfor.jp/projects/internationallaxgame2017
学生時代「ラクロス」をやっていた・好きだった方はもちろん、この記事を読んで「ラクロス」に興味を持った方、山田さんを応援したい!とちょっとでも思ってくれた方は、ぜひクラウドファンディングの詳細ページをのぞいてみてください。必ずしも支援できなくとも、ページのシェアをするだけでもOK。
バスケットボールやラグビーにもマイナーだった時代があったように、いまはまだ光がじゅうぶんに当たっていないだけである「ラクロス」。このあなたのサポートが、きっと未来の子どもたちの選択肢と笑顔を増やしていくはず!
★山田幸代さん設立ブランド「CROSS CROSSE」とは
ブランド名は、毛利元就の“3本の矢”の言い伝えのように、人と人が交わることでひとりでは成しえなかったことも達成できる意をこめた「CROSS」と、“La Crosse”の語源や歴史、他者への尊敬、全力を出し切るという精神性を表す「Crosse」を組み合わせた造語。ロゴマークのデザインも、ラクロスのスティックがクロスしたようなかたちで、人と人との交わりとラクロスの持つ歴史や想いが世界に広がっていくようすを表現したものになっています。山田さんの長年のラクロスにかける想いが凝縮されたブランドです。
■「CROSS CROSSE」
https://www.crosscrosse.com/