突然ですが、筆者は合コンが苦手です。誘われて予定が合えば行きますし、幹事になったことだってあります。でも、苦手です。その理由は2つ。
1つは、はじめから「出会う」ことが目的になっているから。
当然、出会うことを目的にして集まっているので、「友達になる」という選択肢がないのが合コンだと思います。パートナーとして、アリかナシか、という2択しかない。それって、筆者にはとても窮屈です。知り合って、友達になってお互いを知り合って……という感じでもっと自然に出会いたい! という思いが渦巻きます。夢見るお姫様か、ってなじられてもいい。事実だから仕方ないのです。
もう1つは、共通点を探すところから始めなければならないから。
最後まで共通点迷子なことも、まあまあな確率でありますからね。そういうときは、ぶっちゃけ時間を損した気分になります。相手も同じでしょうけどね。
そこで、考えたわけです。いかに自然な感じで出会えて、共通の話題探しに困らない方法を。たどり着いたのは、同じモノ・コトが好きな人が集まる場所に行けばよいじゃないか! → グルーヴ感でつながれるフェスに行こうじゃないか! ということ。ちなみに、フェスの中でも音楽よりも映画の方が、ストーリー性があってのちのち感想を語りやすいと思ったので、映画フェスをチョイス。というわけで、今回は、「映画」をテーマにしたフェス、通称「野外シネマ」をご紹介します。
野外シネマで出会いましょう
ここ数年流行っている野外シネマ。広場に巨大モニターを設置して、大人数で映画を鑑賞するイベントです。なぜ自宅で観ないの? なぜ映画館に行かないの? そんな言葉は野暮。禁句です。オープンな空間で、周りと会話や食事を楽しみながら観られるのが、野外シネマの醍醐味。ガッツリ集中して観るというよりは、空間ごと楽しんで映画を鑑賞するエンターテイメントです。
考えてもみてください。真夏の夜に映画を見ながらビールをクイっとやってプハ~! ね? 想像しただけで幸せな気持ちになってきませんか? 筆者はなります。調べてみると全国各地でいろいろな野外シネマが開催されています。では、さっそく行ってみましょう。
まずは、「夏休みは思いきって遠出してみるのも悪くないかも!」というアクティブさんに。
星空の映画祭@八ヶ岳自然文化園野外ステージ
八ヶ岳といえば、夏のリゾート地としても有名ですよね。そんな場所で開催されるのは、なんと今年で32回目となる「星空の映画祭」。夏の約1ヶ月間に、洋画、邦画の新作や話題作が日替わりで上映されます。
もともとは、とあるペンションのオーナーが26年続けていたイベントだったのですが、2007年に一度閉幕。その後、映画祭を見て育った地元の若者のアツい想いにより2010年に復活しました。実行委員やボランティアがささえる手づくりのイベントです。毎年7000人~8000人を動員しているうち、なんと過半数が県外からの人だとか! もはや、“夏の風物詩”になりつつあるのです。
標高1300m、八ヶ岳自然文化園園内からは雄大な八ヶ岳の姿を間近に望めるうえ、蓼科山、車山、北アルプスも一望できます。お昼は雄大な自然の中を散策し、夜のとばりが下りるのを待つのも風情がありそう。暗くなってきたら見上げれば満点の星空。天の川も見られます。
この中、映画を見られるなんて、ロマンティックすぎやしませんか。「あ、流れ星!」なんて言って、知らない人とハモっちゃって、振り向けばイケメンがいて目が合ってドキッ……なんてシチュエーションも無きにしも非ず。なかったら、星に願いを込めましょう。
今年の上映作品は順次発表予定とのこと。参考までに昨年のラインナップはこちら。
『ズートピア』、『バケモノの子』、『オデッセイ』、『ロッキー・ホラー・ショー』、『ジュラシック・ワールド』、『セバスチャン・サルガド』、『WOOD JOB!(ウッジョブ)』、『地球に落ちて来た男』
けっこうメジャーどころが多めな印象。ロケーションを意識したラインナップに、運営の方々のおもてなしと心意気を感じます。話題作をスクリーンで見逃したという方、いざ八ヶ岳へ。
期間:2017年7月28日(金)~8月20日(日)※8月4日(金)、5日(土)は休映。
会場:八ヶ岳自然文化園 野外ステージ(〒391-0115 長野県諏訪郡原村17217-1613)
電話:0266-74-2681
入場料:おとな1,200円、こども(小・中学生)500円 予定
宿泊:周辺のリゾートホテル
その他:防寒具は必須
アクセス:
車の場合/●中央自動車道(諏訪南I.C. )より8.5km(15分) ● 中央自動車道(小淵沢I.C. )より15km(20分)
電車・バスの場合/R中央本線・茅野駅下車→美濃戸口行きバス→八ヶ岳農業実践大学校前下車、徒歩20分
詳細情報:こちらへアクセス
湖畔の映画祭@山梨県富士五湖・本栖湖
こんなゆったりとしたフェス久しぶり #本栖湖#湖畔の映画祭#2015なとぅ
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本栖湖と書いて、「もとすこ」と読みます。実はココ、千円札に描かれる“逆さ富士”でも知られる名所。そんな日本でもっとも美しい景観ともいえる場所で贅沢に映画を見られるイベントが、「湖畔の映画祭」なのです。
映画鑑賞だけでなく、映画監督&出演者たちのトークイベントや、DJブースもアリ! と盛りだくさんな内容です。そのほか、昼はBBQ、夜になるまで近隣の温泉まで足をのばしてゆっくり、といったようにイベント時間外も満喫できます。せっかくなら前のりして臨みたいですね。
キレイな空気、吸いたくなります。
キャンプ飯に精を出す人も。
日没。夕焼けを見届けたら、いよいよ本番です。
夜明けも素晴らしいでしょうね。富士山の写真がフォルダに増えそうです。
湖畔の映画祭の特徴は、国内インディペンデント映画(自主制作の映画)を中心に紹介しているところ。
今年の上映作品はこちら。(一部のみ。随時発表予定)
『淵に立つ』……第69回カンヌ国際映画祭受賞作
『14の夜』……『百円の恋』で第39回日本アカデミー賞・最優秀脚本賞、足立紳監督デビュー作
『東京ウィンドオーケストラ』……世界遺産・屋久島を舞台に繰り広げられる笑いと感動のハート・ウォーミング・コメディ!
……ついてこれていますか? なかなかコアなラインナップですが、いずれも受賞作であるなど、業界では注目度の高かった作品ばかり。ツウぶりたい方は、いざ本栖湖へ。
期間:2017年8月4日(金)~6日(日)
会場:本栖湖キャンプ場(山梨県南都留郡富士河口湖町本栖18)
電話:0555-87-2287
入場料:一般通し券3,500円(チケットぴあ)、18歳未満2,000円 当日券は4,000円
宿泊:テントは持参。数量限定でレンタル寝袋あり。キャンプ場にコインシャワーあり。
アクセス:
車の場合/東京より車で2時間半 河口湖ICより40分
電車・バスの場合/河口湖駅下車 路線バスにて60分
富士急行(高速バス)新宿より本栖湖(夏季のみ) 約120分
新宿より河口湖駅 約90分 河口湖駅より(ローカルバス)本栖まで約60分
※映画祭開催中 新宿–本栖湖直通 河口湖–本栖湖バス 増発予定
詳細情報:こちらへアクセス
「さっきから聞いていれば、私は都内から出るつもりないんだからね!」というあなたにはこちら。
ピクニックシネマ@恵比寿ガーデンプレイス
📽 ピクニックシネマ♡ 外で見る映画… なんてワクワクするシチュエーション💜💜 #ピクニックシネマ #恵比寿ガーデンプレイス #Mr.ビーン #笑 #たくさん笑おう
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お待たせしました、都内の野外シネマ。テーマは、“都会で楽しむ大人の夏休み”なんだとか。企画は、移動映画館「キノ・イグルー」協力のもと行われているイベントです。ほとんどの回が19時開始なので、都内で働かれている方は、仕事終わりに間に合うのも嬉しいところ。会場には人工芝がしいてあり、裸足になってゴロゴロできます。
ちなみに、今年の上映作品はこちら!
ドキュメンタリー映画『アイリス・アプフェル!94歳のニューヨーカー』
ジョン・カーニー監督の半自伝的作品となる『シング・ストリート 未来へのうた』
『ニュー・シネマ・パラダイス』など全12作。
昨年の様子を見て気持ちを高めましょう。
できれば明るいうちから行って、場所とりしながら飲みたいですね。
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ごはんを持ち寄るもよし。
人! 人! 人! 2階まで人!
期間:2017年8月3日(木)~5日(土)、10日(木)~15日(火)、17日(木)~19日(土)
会場:東京 恵比寿ガーデンプレイス(〒150-6018 東京都渋谷区恵比寿4丁目20番)
電話:03-5423-7111
入場料:無料
アクセス:JR恵比寿駅東口からは動く通路「恵比寿スカイウォーク」で約5分。
詳細情報:こちらへアクセス●確認●
ここまで野外シネマをご紹介してきましたが、場所によって上映する映画のジャンルも結構差があって面白いですね。あとはなんといっても、明るいうちからお酒を飲みながら夜を待つワクワク! もしかしたら映画よりも待ち時間が楽しいピークだったりして……と、ここで最後にポイントをまとめておきます。
野外シネマでの出会いに適している3つの理由
夜空の下、心が開放的に
天井のない青空の下、夜空の下で飲むという物理的な開放感は、気持ちをも「解放」するそうです。普段だったら知らない人に声をかけられるのは得意じゃないけど、まあいいか、と思わせる力が野外シネマにはあります。
また、男性陣としては、グループの女性の方が声をかけやすいらしいので、行く際は、ぜひ女子同士のグループ2~3人でお願いします。グループに男性が混ざっていては、「声をかけるわけにはいかない」という心理が働くので注意です。
非日常をいっしょに過ごす一体感
真っ暗で閉鎖的な室内映画館よりも、周りの観客のリアクションもオープンでわかりやすいのが野外シネマの特徴。上映中、同じところで笑っている人が、すぐとなりにいるかもしれません。「ツボが同じ」って、結構大事です。
見終わったらすでに共通の話題があるから、自然な会話が生まれる
初対面でも、すでに一体感ができているので、終わったあと、「あのシーンでめっちゃ泣いてましたね、私もウルウルしちゃいました」なんて女子から話しかけたとしても、ごく自然です。
……とまあ語りちらしたわけですが、出会いがあってもなくても「面白かった」「屋外で見るって超気持ちいい」とハッピーな思い出が残してくれるのが野外シネマですあなたに幸運が訪れますように。最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
こいとり~この夏、運命の人に出会いたいなら野外シネマへ行け!~
参考サイト: