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この春、小説で恋愛を学んでみる?オトナ女子が共感する恋愛小説8選

オトナになると、青春小説や甘いだけの恋愛小説では物足りない! 恋愛の楽しさや痛さをリアルに描いた作品や、胸がギュッと締め付けられる切なさを味わえる作品など、実体験と照らし合わせて共感できる小説を好むようになりますよね。そんなオトナ女子の皆さまにご紹介するのは、オトナになったから共感できる名作恋愛小説たち。

 

「好きな人がいるけどうまくいかないあなたへ」「恋愛ベタな主人公にじっくり共感したいあなたへ」「失恋をひきずっているあなたへ」「恋愛と仕事。恋愛と人生。迷っているあなたへ」の4つのテーマをもとに計8作品を厳選しました。文庫化されている作品が多いので、ぜひ気軽に手にとってみてくださいね。

好きな人がいるけどうまくいかないあなたへ

◇『愛がなんだ』/角田光代

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~あらすじ~

「私はただ、ずっと彼のそばにはりついていたいのだ」――OLのテルコはマモちゃんに出会って恋に落ちた。彼から電話があれば仕事中でも携帯で長話、食事に誘われればさっさと退社。すべてがマモちゃん最優先で、会社もクビになる寸前。だが、彼はテルコのことが好きじゃないのだ。テルコの片思いは更にエスカレートしていき……。直木賞作家が濃密な筆致で綴る、全力疾走片思い小説。(引用元:Amazon

 

~紹介文~

風邪を引いた彼の家に押しかけてムリにお世話をしたり、彼からご飯に誘われたらすぐ向かえるよう彼の職場近くで待機したり、恋愛体質が行き過ぎてストーカーすれすれの行動をしながら、ガムシャラに相手に尽くす。そんな一途な女性が主人公です。お相手の男性は調子良く主人公を利用するだけで、決して彼女を好きなわけではないのが辛いところ。主人公もその事実に気づいていながら、相手に尽くすことをやめられないのです。読んでいると痛々しいキモチになりますが、主人公がなりふり構わず相手を追いかける姿にどこか共感してしまう人は多いのではないでしょうか。テルコがなぜそこまで相手に尽くすのか独白する台詞はまさに名台詞。

 

「なんて阿呆な男なんだろう。自分がかっこいいから私に好かれているとでも思っているのだろうか。顔が好みだの性格がやさしいだの何かに秀でているだの、もしくはもっとかんたんに気が合うでもいい、プラスの部分を好ましいと思い誰かを好きになったのならば、嫌いになるのなんかかんたんだ。プラスがひとつでもマイナスに転じればいいのだから。そうじゃなく、マイナスであることそのものを、かっこよくないことを、自分勝手で子どもじみていて、かっこよくありたいと切望しそのようにふるまって、神経こまやかなふりをして、でも鈍感で無神経さ丸出しである、そういう人を全部好きだと思ってしまったら、嫌いになるということなんて、たぶん永遠にない。」(本文149150P

 

他にも「おれさあ、山田さんのそういうとこ苦手。五週くらい先まわりして変に気、つかうとこっていうか。逆自意識過剰っていうか」(本文111P)などリアルな心情描写、人物描写に定評がある作者ならではの珠玉の名言がたっぷり。今まさに片思いに悩む方が読んだら「そうそう!!」と思いきり共感できるはずです。

 

◇『試着室で思い出したら、本気の恋だと思う。』/尾形真理子

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~あらすじ~

かわいい服を買ったとき、一番に見せたい人は誰ですか……。所帯じみた彼と停滞ぎみなネイリスト、長い不倫に悩む美容マニア、年下男子に恋する文系女子、披露宴スピーチを頼まれた元カノ、オンリーワンに憧れる平凡なモテ系女、そして、彼女らに寄り添うひとりの女性店員。 ある春の日、路地裏の小さなセレクトショップに足を運んだ女性たちが、運命の一着と出会い勇気をもらう。ファッションビル「ルミネ」のポスターから生まれた、今の自分が好きになる5つの物語。(引用元:Amazon

 

~紹介文~

こちらは、ファッションビル「ルミネ」の印象的な広告コピーを手がける尾形真理子さんの作品。ルミネのポスターのコピーが印象に残っている方もいるのではないでしょうか。本作のタイトルや各章の見出し(「あなたといたい、とひとりで平気、をいったりきたり。」や「好きは、片思い。似合うは、両思い。」など)にも同シリーズのコピーが使われており、様々な立場・境遇で恋愛に悩む女性たちが自分に似合う洋服と出会うことで前に進んでいく物語が紡がれていきます。

 

作品に登場する女性キャラクターはいずれも「あるある」「友達にいそう」と思えるような悩みを抱えており、等身大で描かれているため、きっと共感できるはず。そして、オシャレをすることで自分に自信がつくという女性なら誰もが体験している不思議なチカラで背中を押してくれるのです。この作品を読んだら、きっと次に好きな人に会う時のために洋服を買いに行きたくなるはずです。

 

恋愛ベタな主人公にじっくり共感したいあなたへ

◇『すべて真夜中の恋人たち』/川上未映子

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~あらすじ~

入江冬子、34歳、フリー校閲者。人づきあいが苦手で孤独を当たり前のように生きてきた彼女の唯一といっていい趣味は、誕生日に真夜中のまちを散歩すること。冬子は、ある日カルチャーセンターで初老の男性と知り合う。高校の物理教師という、その男性の「今度は、光の話をしましょう」という言葉に惹かれ、冬子は彼がときを過ごす喫茶店へ向かうようになる。少しずつ、少しずつ、ふたりの距離は縮まってゆくかにみえた。彼に触れたいという思いが高まる冬子には、高校時代に刻みつけられたある身体の記憶があった――。(引用元:講談社BOOK倶楽部

 

~紹介文~

「好きな人はいるけど、人見知りで臆病な性格ゆえに上手くいかない」「人付き合いが苦手で、一歩踏み出す勇気が出ない」。そんな方にぜひ読んでほしいのが、こちらの作品です。主人公である冬子がまさにそのようなタイプで、言ってしまえば恋愛ベタと言える人物。それでも、ある日気になる男性と出会い、勇気を振り絞って少しずつ行動を変えていきます。

 

作中では冬子が行動を変えるまでの気持ちの変遷や戸惑い、片思い期特有の不安や切なさ、孤独感がとても丁寧に美しく描写されているので、彼女に共感できる部分がある人ほど、深く感情移入できるはず。恋愛で感じる孤独や切なさを主題にしていながら、読み終わった後は不思議と前を向ける作品です。

◇『恋愛中毒』/山本文緒

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~あらすじ~

もう神様にお願いするのはやめよう。――どうか、どうか、私。これから先の人生、他人を愛しすぎないように。他人を愛するぐらいなら、自分自身を愛するように。哀しい祈りを貫きとおそうとする水無月。彼女の堅く閉ざされた心に、小説家創路は強引に踏み込んできた。人を愛することがなければこれほど苦しむ事もなかったのに。世界の一部にすぎないはずの恋が私のすべてをしばりつけるのはどうしてなんだろう。吉川英治文学新人賞を受賞した恋愛小説の最高傑作。(引用元:Amazon

 

~紹介文~

こちらの作品に登場する主人公は、恋愛に深くハマり過ぎてしまう恋愛依存症として描かれています。普段の性格はどちらかというと地味で落ち着いているのですが、恋愛が絡むと人が変わり、独占欲や嫉妬、奉仕したい、されたいと言った感情に飲み込まれてしまいます。

 

普通の恋愛小説のつもりで読むと、どんどん予想していなかった方向に加速展開するストーリーに戸惑うかもしれませんが、恋愛にハマりやすい女性ならきっとどこかで共感するとともに自分だったら……と考えてしまうのではないでしょうか。いつも自分が深みにはまりすぎて上手くいかなくなってしまう、相手を追いかけ過ぎてしまうタイプの方は、この作品を読むことで自分を振り返るきっかけが生まれるかもしれません。

過去の失恋をひきずっているあなたへ

◇『ホリー・ガーデン』/江國香織

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~あらすじ~

果歩と静枝は高校までずっと同じ女子校だった。ふと気づくといつも一緒だった。お互いを知りすぎてもいた。30歳目前のいまでも、二人の友情に変わりはない。傷が癒えない果歩の失恋に静枝は心を痛め、静枝の不倫に果歩はどこか釈然としない。まるで自分のことのように。果歩を無邪気に慕う中野くんも輪に加わり、二人の関係にも緩やかな変化が兆しはじめる……。心洗われる長編小説。(引用元:Amazon

 

~紹介文~

本作は過去の失恋を経て殻に閉じこもってしまった女性、果歩を主人公として描かれます。彼女の周りには、子供時代から共に過ごしてきた親友や、果歩に想いを寄せる職場の同僚、職場の不倫相手などが登場し、一見人当たりがいいものの周囲に心を閉ざしている果歩に干渉していきます。さまざまな人との触れ合いによって、少しずつ果歩が変化していく果歩を見ていると、同じ境遇にいる人ほど感じるものがあるはずです。

 

また、ストーリーはもちろんですが、登場人物たちのさりげない日常の描写一つひとつが美しく静かな文章で描かれているので、読んでいると心が落ち着く一冊でもあるはず。休日の午後にゆったり紅茶を飲みながら、お風呂で湯船に浸かりながら、リラックスして読んでほしい作品です。

◇『片想いさん 恋と本とごはんのABC』/坂崎千春

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~あらすじ~

どうしてわたしはこんなにもひとりなんだろう。世の中は恋愛であふれているのに。恋する人から、本の言葉から、美味しい料理から、独りの静かな時間に受け取る深いメッセージ。著者の清潔な正直さと温かな絵が、読者を幸福な感動へと導いてくれる。本の好きな人たちに熱愛されてきた、奇跡のエッセイ集。(引用元:Amazon

 

~紹介文~

こちらはジャンルとしてはエッセイなのですが、まるで恋愛小説の短編集のような作品なので、ご紹介します。著者が過去に片想いをしてきた人について、一緒に食べた料理や思い出の本などをテーマとした短い物語として詰め込まれています。象徴的なのが冒頭の章の一文。

 

「長いあいだ、片想いを続けていた。いつも理由が欲しかった。彼に電話をしていい理由。贈り物をしていい理由。彼から本やCDを借りると嬉しかった。そうしたら「本、読み終わったよ。また続きも貸して」と電話をすることができる。(中略)理由なしに、彼に会えたらいいのに。夜中に突然電話をかけて「声が聞きたかっただけ」と言ったり、「あなたにこれ似合うと思うんだ」と身につけるものをプレゼントしたりしたかった。でも、そんなことはできないと知っていた。彼は友達の恋人だったから。」(本文89Pより)

 

片想いで終わってしまった過去の失恋の記憶を丁寧に掘り起こしているので、読んでいると自分の失恋の記憶のようにほろ苦く感じつつも、また恋がしたくなる。そんな魅力があるこの作品は、過去の恋を引きずっている人の心に寄り添い、次に進ませてくれるはず。ぜひ読んでほしい一冊です。

恋愛と仕事。恋愛と人生。迷っているあなたへ

◇『女の子は、明日も。』/飛鳥井千砂

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~あらすじ~

25万部を超える「タイニータイニーハッピー」など、現代の女性のリアルな自意識と希望を描き続けてきた著者の、集大成。 14年ぶりに再会した四人の女性達。かつての仲間は今日の……。 既婚者の男を妻子から略奪し結婚した麻里子。営業部での成績は良かったのに編集部では企画が落ち続ける女性誌編集者・悠希。裕福とはいえない暮らしをしながらもあてのない不妊治療を始めた、マッサージ師の仁美。 売れはじめた途端に周りからの嫉妬にさらされる翻訳者・理央。30代女性のプライドと思惑が交錯し、生活や仕事、恋愛や体の問題に振り回されながら、確かな光を得るまでを描いた。欲望の輪から自由になれる、感涙必死の物語。(引用元:Amazon

 

~紹介文~

4人の女性の人生を通して、恋愛、結婚、仕事、出産にまつわる不安や葛藤を描いた作品です。2030代女性のリアルをモチーフにした作品が持ち味の著者なので、きっと読んでいると「こういう人いる!」「この気持ち分かる!」と共感できるはず。4人の女友達グループをそれぞれの目線から描いているので、友人から見たら成功してイキイキ見えていても、実際は悩みや問題を抱えているということがよく分かる構成になっています。

 

恋愛も頑張って仕事も頑張って……という年代の女性はつい周りと自分を比べて落ち込んでしまいがちですが、そんなことは必要ないということ、一人ひとりに合った道がきっと見つかるということなどのメッセージ詰め込まれており。読み終わった後に清々しく感じられる小説です。

◇『ほかならぬ人へ』/白石一文

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~あらすじ~

「ベストの相手が見つかったときは、この人に間違いないっていう明らかな証拠があるんだ」……妻のなずなに裏切られ、失意のうちにいた明生。半ば自暴自棄の彼はふと、ある女性が発していた不思議な“徴”に気づき、徐々に惹かれていく…。様々な愛のかたちとその本質を描いて第一四二回直木賞を受賞した、もっとも純粋な恋愛小説。(引用元:Amazon

 

~紹介文~

愛の本質を突き詰めた純粋な恋愛小説として直木賞を受賞した本作品。「恋愛におけるベストの相手とは?」という誰もが持つ疑問への回答を提示した小説として、学びがあると思います。作品の中では実に様々な愛の形が登場します。出会った瞬間にこの人だとピンときて1ヶ月半で結婚する人、幼馴染でお互いに好きだったにも関わらず別の人と結婚している人、兄の妻に心を惹かれて独身を貫いている人、傷心の職場の後輩をひたすら支え励ます人。

 

それらを通して、物語の最後に提示される「しるし」を理解したとき、人生の中でどのような相手を生涯の伴侶として選ぶべきか、感じるものがあるかと思います。「みんな徹底的に探してないだけだよ。ベストの相手を見つけた人は全員そういう証拠を手に入れてるんだ」「だからさ、人間の人生は、死ぬ前最後の一日でもいいから、そういうベストを見つけられたら成功なんだよ。言ってみれば宝探しとおんなじなんだ。」(どちらも本文158Pより)など作中にも恋愛にまつわる名言が多く、考えさせられる一冊です。

この春、小説から恋愛を学んでみませんか?

自分が心の中でもやもやと抱えているキモチを、ズバリ言葉にしてくれる。これが恋愛小説の醍醐味だと思います。その表現に共感して「こんなキモチになるのは自分だけではないのだ」と勇気づけられたり、気が付かなかった発見があり前向きなキモチになれたりしますこの春、あなたもまるで自分専用のように思えるお気に入りの一作を見つけてみませんか?

こいとり~この春、小説で恋愛を学んでみる?オトナ女子が共感する恋愛小説8選~

 

 

 

参考サイト: