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独占インタビュー

ワールドカップでまさかのスタメン外!? 世界の壁と挫折の味

2016-04-28|女子ツク!編集部女子ツク!編集部

オーストラリアのWilderness Lacrosse Clubで、日本人初のプロラクロスプレイヤーとして活躍する山田幸代さん。高校時代、バスケットボール選手としてインターハイ出場も果たしていたというスポーツウーマン。しかし大学入学と同時に引退。「スポーツはもうやらない、花の女子大生生活を送るんだ!」と固く決意していた彼女が、入学後にふとしたきっかけで出会ったのがラクロス。それが運命の始まりでした。

なぜラクロスにハマったんですか?


「難しくて楽しかった」からです。自分で言うのもなんですが、球技を始めスポーツ全般を得意とする私がラクロスではまったく“ダメな子”だった。できない技や動きがあることが面白くて。マイナーなスポーツだったんで、仲間と「これやってみよう、あれやってみよう」と技やトレーニングを開拓するのも楽しかった。そこからですね、サークルに入って本格的にハマり始めたのは。



その後、数ヶ月でU-20の選考会で選ばれたとか


8月に始めて2ヶ月後にU-20地域選抜選考会があってそこでたまたま。まだ満足に球の受け渡しもできなかった私がなぜ選ばれたのか?と後で聞いたら「ラクロス以外の動きがよかった」って。周りの動きを見て良いポジションに動く、というバスケの経験が活きたみたい。その一年後にU-20日本代表、ワールドカップまでと駆け抜けていった感じです。



まさにトントン拍子にキャリアを積まれた感じですね。そんな山田さんでも挫折を感じたことってあるんでしょうか?


もちろん! 忘れもしない、初めてワールドカップに出場したとき。世界の強豪を前に実力の差に圧倒されて、プレイができなくなってしまったんです。人生初ってくらい落ち込んで、大好きなラクロスが楽しめなくなって、音も耳に入ってこないしグランドでも足がすくむ、体が思うように動かない。それまで順調だっただけに、大きな挫折もなかったし、自らのプレイとじっくり向き合ってこなかった。自分の弱さがワールドカップで一気に爆発してそれを受け止められなかった。結果、スターティングメンバーからも外されてしまって、すごく悔しかったですね。



やっぱり違うんですか?世界は


全然違います。ラクロスの3強はアメリカ、カナダ、オーストラリア、日本は今9位なんですがTOP3とはケタが違う。サッカーで言ったら10対1で負けちゃうくらい。苦い経験だけど、でもその大会中に一度どん底まで落ち、這い上がることができたのは大きな経験でした。



どのように立て直したんですか?


見方を変えてみたんです。「私が凹んでるのはなぜか?→実力が足りないから」なんだけど、そもそも「この大会に来ているのはなぜか?→日本代表に選ばれたから」。そうか!私が今やらなければいけないのは「代表としてのプレイ」なんだ!自分のプレイどうこうなんて関係ないんだ!と。3日程でそのことに気づいて復活、無事5位に入賞することもできました。この時から目標への道で壁ができたときに、前だけでなく、横からも後ろからも進める術を考えられるようになったんです。

実は一度就職されているんですよね?


はい。大学卒業後、まさにそのワールドカップ開催の年。当時はまだプロというのも現実的じゃなくて、ラクロスは続けたいけど就職もしなきゃなぁと思って。でも試合や遠征で休みがちになることは決まっていたので、最初の面接時にすべて伝えて、それでも良いと言ってくれた某大手通信会社に入社しました。



どのように両立されていたんでしょうか?


数字で成果を残せる営業職に就いて「ラクロスで休むことがあっても、営業成績は必ず達成させること」を上司・人事と約束したんです。でも入社数ヵ月は全然契約とれなくて、成績もビり。芽が出始めたのは法人の間接営業にうつってからですね。代理店さんとの信頼関係を築くところから始め、ともに戦略を練り、二人三脚で歩んでいって…一年もすると「さっちゃんのために取ってきたよ!」って大きな契約をバンバンとってきてくれるようになって、一気に400%達成とかが続いた。代理店さんのおかげで、左うちわで練習に行くことができました(笑)。



素晴らしいパートナーですね。そんな会社を辞めてオーストラリアに行くことにしたのはなぜですか?


私の夢はラクロスを子どもたちが「将来プロ選手になりたい!」と思えるほどのメジャースポーツにすることなんです。それにはどうすればいいのか? ひとりでも世界で活躍している選手がいれば、プロとして活動している選手がいれば、子どもたちにも夢を持ってもらえるんじゃないかなって。入社3年目の時にオーストラリアに行くことを決意しました。



その夢は今も変わらず?


変わりません。今も「普及活動をおこなう、世界トップチームの技術を学び日本に監督として帰ってくる」いろんな道を模索中です。目標への道はひとつじゃないんで。横から後ろからあらゆる方向からアタックしていきたいですね。

プロフィール[Profile] 山田幸代 [やまだ さちよ]

プロラクロスプレイヤー
1982年8月18日生まれ。滋賀県出身。大学入学後、ラクロスに出会い、2年生の時に年代別日本代表に選出。2005年、日本代表としてワールドカップに出場、5位入賞に貢献。卒業後就職した某大手通信会社では、トップセールスを記録しMVPを受賞。2007年9月にプロ宣言、2008年からオーストラリア・アデレードの強豪チーム“Wilderness”に所属。

オフィシャルブログ
http://ameblo.jp/sachiyolax/

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