恋愛タイムパトリール24時!! 第三夜 かくれんぼ男事件

恋愛タイムパトリール24時!! 第三夜 かくれんぼ男事件

 かくれんぼ男事件

 

今回はデザイン会社勤務マリエさん (仮名)への取材を元に制作をしました。

過去の恋愛トラウマにとらわれ、「もう恋の仕方がわからない!」と恋愛迷宮を彷徨う、悩める独身女を救うべく今宵も““恋愛タイムパトリール“が登場だ!

 

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「あれ?ビール買い忘れちゃった」

 

彼氏「じゃ、俺コンビニ行ってくるわ!」

 

 

「待って!!!!」

 

「コンビニ?ほんとにコンビニ?ちゃんと帰ってくるよね?ね?ね?」

 

ガシッ!

 

彼氏「え?!なに?怖い!俺行ってくるよ。じゃ」

 

「うっ、行ってしまった……」

 

「はい、そこの君、止まりなさい」

 

「彼氏がコンビニに行っただけで、その焦り様。ただ事じゃないな!」

 

「わっ、ハト?なに?ハトなの?!」

 

「ワシは、タイムパトリール!」

 

「過去の恋愛における失敗やモヤモヤをその時代にタイムトラベルすることで解消するポリスだ!」

 

「え?何?何のこと?」

 

では、なぜ彼氏が近所のコンビニにビールを買いに出ただけなのに、そんなに慌てている?

 

「そ、それは、その……」

 

「もうホシはあがってるんだ!つべこべ言わず、今すぐ行くぞ!」

 

「今から7年前、2010年にターーイムパトリーーーール!!

 

 

♪マメ〜〜ン

 

—–2010年10月三軒茶屋駅近辺——

 

 

男「あ、あそこの店、俺の行きつけ!」

 

女「へ〜、私、三茶に住んでるのに、あんなお店知らなかった〜」

 

カランカラン〜♪

 

「ひゃ〜、出ました!俺の行きつけ

 

「懐かし〜♥あのお店、良かったな〜」

 

「しかも、私、若—い♪」

 

「ん?なんでポワンとしてきてんの?」

 

「あの頃は、何やってても楽しかったな〜♪ウフフフ」

 

「しっ!なんか話してるトリ!」

 

 

女「ね〜、私たちって、付き合ってるよね?」

 

男「そんなこと気にしてるの?

 

「?!」

 

男「付き合うってさ〜、高校生くらいまででしょ?

 

女「……」

 

「えっ?……えっ?」

 

「『あ、ああ、欧米ではそうだよね……そっか〜』って……思ってた!!」

 

「ちょ……アンタもアイツも純日本人じゃん!!バッ……」

 

「バカなの!!!!あの子バカなの!!!!自分だからわかる……しくしく」

 

「そんなおバカなマリエさんの1ヶ月後に!」

 

 

♪マメ〜〜ン

 

—–2010年11月渋谷の気取ったカフェ——

 

 

女「ねーねー、ユカ、この前知り合った人とはどうなの?」

 

友達「まだ片思いだよ〜、これからこれから!」

 

女「写真無いの?写真〜、見せろ〜」

 

友達「無いよ〜」

 

友達「それより、マリエは彼氏とどうなのよ?」

 

女「楽しいよ。でも、彼氏っていうか……」

 

友達「え?彼氏じゃないの?そっか〜」

 

女「お互いこれからだね〜」

 

友達「アハハ」

 

「彼氏出来たって言えなくて辛かったんだ。心から喜べないというか」

 

「もちろん私は彼氏だと思ってたんだけど」

 

「うむ、これは悲しいな」

 

「だが、そんな辛さを乗り越えにタイムトリップして来たんだ!行くぞ、もういっちょ!!」

 

 

♪マメ〜〜ン

 

—–2010年12月三軒茶屋駅近辺——

 

 

女「ゴーヤーチャンプル美味しかったね〜」

 

男「沖縄料理店にしてよかった!」

 

女「そういえばさ〜」

 

 

「ん?」

 

ゴシゴシ

 

「き・・・消えた?!」

 

「思い出したわ!!」

 

「はい?」

 

「で、メールが来たんだ」

 

ピロン♪

 


 

さっき沖縄料理店でマリエが俺のシャツについて言ったことがやっぱり納得できない。

 


 

「エ!今普通に話してたよな?」

 

ピロン♪

 


 

ちなみに俺は三茶駅前のサーティーワンにいる。

 


 

「返事送ってないのにまた来た!!なにこのアピール!」

 

「で、この後は?」

 

「行ったわよ!サーティーワンに!」

 

「で、話した?」

 

「いや、話してない。ていうか……いなかった。」

 

「ハァ?」

 

ピロン♪

 


 

俺はドンキに移動した。

 


 

「!!」

 

「なんだこいつ!!」

 

ピロン♪

 


 

俺は今セブンにいる。

 


 

「くっそ、あっちか!ゼイゼイ」

 

「で、このあとようやく捕まえて、別れました。ゼイゼイ」

 

さんざん振り回されたな……体力的な意味でも。

 

「今回も例外だなこりゃ。さ、君が想像する一番の制裁を“夢”として……」

 

♪ピコンピコン

 

 

♪マメ〜〜ン

 

「なんだなんだ?!強制呼び出しなんて……」

 

「よお!」

 

兄貴!?

 

「今回は急遽合同で制裁をおこなうことになった」

 

「……ユカ?!」

 

「マリエ!ゴメン、私の片思いしてた相手、実は……」

 

「あ、……なるほど」

 

というわけで、今回は合同で実施します!

 

 

♪マメ〜〜ン

 

—–2010年12月三軒茶屋駅近辺——

 

男「あ、もしもし?俺!」

 

男「そうそう、今駅着いた。西友の裏あたりだよね?すぐ行く!」

 

タタタタ……

 

男「あれ?なんでこんなとこにサーティーワンが?新店舗?まいっか」

 

タタタタ……

 

男「え?ドンキ移転した?」

 

 

タタタタ……

 

男「またセブン?あれ?」

 

タタタタ……

 

男「うわー!どこなんだよここはー!」

 

 

「いい気味ー!ざまあみなさい!干からびるまで迷ってるといいわ!」

 

「よし、ユカ、あいつが走ってるの見ながら飲も!」

 

「さんせー!あの頃話せなかったこと話したい!」

 

「あ、でも一杯飲んだら帰らなきゃ!彼氏が帰ってくるんだ!」

 

「マリエ、彼氏いるんだ〜!私も今は彼氏いる!おっけーまた今度じっくり話そ。」

 

キャッキャッ

 

”友達に話せない関係”は長続きしない

 

「あのふたりは、お互いにこれからは話せる友達という関係を築いていけるだろう」

 

「そうだな、じゃ、俺たちも飲みにいくか!」

 

「一杯だけな!」

 

 

第4夜に続く。
こいとり~恋愛タイムパトリール24時!! 第三夜 「かくれんぼ男事件」~

 

 

今までのお話はこちら

恋愛タイムパトリール24時!! 第一夜 歴代の彼女に執着する“シームレス男”事件

恋愛タイムパトリール24時!! 第二夜 変態ベンチャー社長不倫事件

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