日本酒ライターに聞いてみた!「秋あがり」で旨い日本酒

日本酒ライターに聞いてみた!「秋あがり」で旨い日本酒

秋あがり

少し肌寒くなり、普段から日本酒をよく飲む方じゃなくて「そろそろ日本酒の季節かな?」「あっためたお酒が呑みたいな」と思う頃ではないでしょうか。「寒造り」といって日本酒は冬場から春先にかけて製品づくりをしますが、夏は遊んでいるわけではありません。夏場に徹底して建物や道具の修繕や清掃をおこなって、寒い時期に備えられます。10月に入るといよいよ多くの蔵が、酒造りを始めます。そして年末年始ごろに私たちは、今年の新酒を飲むことができるのです。では、今飲めるものはどんなものでしょうか?説明とオススメのお酒をご紹介します。

「秋あがり」と「ひやおろし」は違うもの

秋によく聞くお酒として、「秋あがり」と「ひやおろし」があります。同じように使われることも多いですが、指している意味合いが全く異なります。 秋あがり=春にできたお酒が秋になり、味が乗ったもの ひやおろし=通常なら日本酒は出来立てと出荷前の2回加熱処理しますが、出荷前の処理をせずに売り出されるもの 処理のことを指す名称と、味や状態について指す名称。本来はそれぞれ全く違うところで使用する言葉なのです。

オススメ秋あがり「西の関 特別純米酒 紅葉秋あがり」

1873年(明治6年)創業の大分の蔵が造る秋あがりは、ぜひ馴染みの店か自宅でゆっくりとリラックスしながらお燗で飲んで欲しい一品です。夏の暑い中を乗り越えたお酒は、その間にじっくりと熟成を重ねて旨味を増しています。秋が旬の食材にも合わせてどうぞ。
萱島酒造 西の関 特別純米酒 紅葉秋あがり 720ml

オススメ秋あがり「仙禽(せんきん) 秋あがり 赤とんぼ」

「日本酒はちょっと苦手かも」「抵抗がある」という方にこそ飲んで欲しいのが、仙禽です。こちらで造る日本酒のテーマは、『甘酸っぱく、アイシテ。』という今までの概念を打ち破るものです。年配の方に言えば「お酢じゃあるまいし!」と怒ってしまいそうですが(笑)、それは違います。ワインのソムリエでもある蔵元が造るこの酒は、次世代の日本酒業界を担うでしょう。今のうちに呑んでおいて!
仙禽(せんきん) 秋あがり 赤とんぼ 1.8L

オススメ「神亀酒造 ひこ孫」

 秋あがり

最後にご紹介するのは、もはや秋あがりというか…半年どころか最低でも3年は寝かして熟成されたお酒です。一番良いときに出すので、感じるそのまま呑んでほしいという造り手の願いから、何年寝かされたのか?アミノ酸度や酸度、日本酒などは非公開となっています。お米と米麹だけ、余計なものが入っていない純粋な日本酒をじっくり味わってみてください。
埼玉県 神亀酒造 ひこ孫【ひこまご】 純米 1800ml

まとめ

その昔、日本酒といえばこの「秋あがり」が通常製品でした。ほとんどのお酒が寝かせて、熟成させて出荷されていたんですね。それがいつしか日本酒蔵のキャッシュフロー問題や消費者の嗜好の変化、運送の発達によって状況が随分変わりました。だから「秋あがり」とわざわざ謳ったものは見かけなかったそうです。しかしこうして状況や世の中が移り変わっても、熟成された日本酒をこの時期にお燗にして呑むと美味い、という事実は変わらないのではないでしょうか。手間ひまかけて造られ、さらに大切に熟成され旨味が増した日本酒を飲みながら新酒をゆっくり待つというのも乙というものです。ぜひ生活の中に、日本酒を取り入れてみてくださいね!

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