日本酒ビギナーのための!お酒なぜなに事典その4【地酒としての日本酒】

日本酒ビギナーのための!お酒なぜなに事典その4【地酒としての日本酒】

日本酒

「最近日本酒を飲み始めました!」「日本酒を飲んでみたいけどよくわかりません」「好きだけど詳しくなくて…」という日本酒女子が増えています。わたしは「詳しくなくていいよ!プロに聞きながら美味しい日本酒をたくさん飲もう!」と思っています。でも…ほんの少し日本酒について知ることによって、より美味しく飲むことができるのかもしれません。日本酒豆知識シリーズをお届けします。第3弾は、「地酒」についてです。

日本酒の蔵って、全国にたくさんあるんです

昭和40年、全国には3500を超える蔵がありました。平成24年には1600蔵強と減ったものの、私たちが想像するより多くの日本酒蔵が日本には存在します。それも規模はバラバラ、北は北海道から南は沖縄まで様々な場所にあります。なぜどこか特定の地域だけで発展したのではなく、全国各地に存在するのでしょうか?

1.神事に必要

日本人はもともと、八百万(やおよろず)の神様を信仰していました。身の回りの自然のものすべてに神が宿る、という考え方です。だから何をするにも神様にお願いをし、お供えをしました。神饌(しんせん)と共に備えたのが、御神酒と呼ばれる日本酒です。そして神様に備えたものと同じものを飲むことによって、神様と繋がることができると信じられていたのです。家に仏壇がある方はわかると思いますが、1年に1回という少ないスパンではなく常に絶やさず供物を備える場合も多くあります。
また、酒を飲み酔っぱらってトランス状態に陥ると「神様に近づいた」と見なされていました。だから事あるごとに日本酒が必要。需要があるから様々なところで造られたのです。

2.交通手段が不便だったから

2.交通手段が不便だったから 移動するだけで命がけだったような、交通がすごく不便だった時代がありました。全国で日本酒蔵数NO.1は新潟県ですが、次いで多いのは長野県。しかし生産量を見てみると、長野県の順位がグンと減ります。これは標高の高い山が多いために行き来することが難しく、生活に必要不可欠なお酒は地元で作らざるを得なかったのが理由の1つではないかと言われています。

3.地域の食文化とマッチ

  日本酒とあて

日本は海に囲まれ、山がすぐ側にあり川に育まれる島国。縦に長いため、気候も様々です。海に面した漁師町では、いつでも新鮮な魚がありますが、漁の疲れを癒すため塩辛い料理が必要とされます。澄んだだし汁が好まれる薄味料理の土地もあります。食文化はひとつ山を越えるだけでガラリと変わってしまう。だから地元の味にフィットした日本酒がそれぞれ各地で生まれたのです。それは時代を経た、現在も同じです。

まとめ

その土地で生産される酒。それぞれの土地特有の酒「地酒」。今では米を取り寄せ、水は濾過して酒造りすることができますが、本来は地元の米を使って、そこで湧き出る水で、地元(あるいは近郊)の杜氏集団が冬場だけ蔵に集まり造るのが日本酒でした。日本酒を飲む時には、造られた地域に想いを馳せながらグラスを傾けてはいかがでしょうか。「この日本酒、好みじゃないな」と思っても、地元の料理と一緒に味わうとまた違う景色が見えるかもしれません。ぜひ試してみてくださいね!

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